■読者のページ〜2003年1月〜
今回はアメリカ編です。
この旅のハイライト『イエローストーン国立公園』から『カウボーイカントリー』ネバダ州北部を抜けサンフランシスコに辿り着くまでをお話します。

★7月24日(水)、25(木)・イエローストーン公園内のホテル泊

早朝に出発しカナダからアメリカ、モンタナ州を抜けワイオミング州イエローストーン国立公園まで約600kmの移動。途中初めて私が運転し反対車線暴走しヒヤッとしながらも午後5時半過ぎにイエローストーンの西ゲート到着。

ここイエローストーン国立公園はその昔先住民スー族に“霊気の満ちた場所”と恐れられていた場所で大きさは四国の約半分。公園内は間欠泉(Geyser)を中心としたガイザーカントリー、湖を中心としたレイクカントリーなど5つ違った顔を持つカントリーがありグリズリー、バイソン、ムースなど野生動物が多いことでも有名です。

宿泊先のオールドフェイスフルインOld Faithful Inn(世界最大のログキャビン1904年築)まではゲートからさらに50km、長時間の移動に子供たちもぐったりです。6時半ようやくチェックイン。久しぶりのバスタブに歓声が上がります。今まではモーターホームかRVパークのシャワーだけだったので嬉しいかぎりです。ただ長男の右目が少々腫れているのが気になります。

翌朝、長男の目の腫れはひかず公園内のクリニックへ。午前中待ってやっと診療、結果 は“虫刺され”薬もありませんでした。捻挫、発熱、擦り傷など次から次に患者がやってきます。

午後から近くのトレイルを歩いて間欠泉を見学。多くのトレイルは車椅子でもOKです。

硫黄のにおいと湯気に子供たちはすっかり露天風呂と思い込んでいて“入れません!”の日本語の看板を見てがっかり。不満タラタラで結局売店でミニチュア動物セット$6を購入することで一件落着。

★7月26日(金)

翌日は車で約15分の距離にあるグランドティトン国立公園に。見所はティトンの山々を 中心とした“完璧な風景”一枚の絵の中に入り込んだような公園です。

ぼーっと見ていると一瞬大きな黒い背が……多分バイソンです。でも子供たちは仮面 ライダーゴッコに夢中で見逃してしまいました。また不満タラタラ。
パークレンジャーによると早朝のオックスボーベンドOxbow Bendが野生動物に会えるベストポイント ということなので明日に備えて早めにRVパークへ。

BBQスタンド、乗馬コース、スパなど、施設充実で家族連れで賑わっています。夫と子供たちはさっさとプールへ。今夜の献立はジャンボオムライスとデザートはブルーベリー。彼らは向かいのキャンプファイヤーをカーテン越しにのぞきながらヒソヒソ。「またキャンプファイヤーやろうね。」「何燃やす?」……夜はかなり冷えます。

★7月27日(土)

オックスボーベンドへ。遅すぎました。川面にペリカンが見えるだけです。そのとき目の前を犬に似た動物が横切りました。コヨーテです。見たのは私だけ。子供たちの悔しがりようといったら……見せてあげたかった。その後熊でもバイソンでもと探したのですが結局何も見ることが出来ませんでした。私達はアイダホ州へ移動します。

RVパークはアイダホフォールズIdaho Fallsです。町外れの工場の隣ながら緑が多く賑わっています。夫と子供たちはプール。私は洗濯。夕食の支度をしながら渡米前の夫の言葉をふと思い出します。「こっち来たらゆっくりして……」スーパーで買ったニシンのサワークリーム和えをつまみながらビールを飲み干します。

★7月28日(日)

アイダホ州からネバダ州に入った途端至るところに“カジノ”の看板、どんな小さな町にもカジノがあります。あと目に付くのは“Gun Show(銃の展示会)”の 案内でこちらでは家族連れで行く人たちも多いとか。州北部のこの辺りは“カウボーイ カントリ−”と呼ばれ西部開拓の幌馬車隊のルートが現在の州道となっています。

何時間走っても同じ赤茶けた荒野が続き道路脇にはバーストしたタイヤの残骸が散乱してあまり楽しい気分ではありません。予想に反して子供たちはキャッチボールやドッチボールでとても楽しそうです。

今日のRVパークはNational Forest内にあるエンジェルレイク。唯一インターネットで予約できたRVパークです。それに午後3時までには到着できそうです。湖を見ながらぼーっとするのもいいし、子供たちと泳ぐのもいいかな。ゆっくりお茶の時間というのも素敵です。ウキウキしながら湖のあるウェルズWellsの町に入ります。

気温35度を超える日曜日、人影がありません。とにかく案内板をたよりに湖を目指して走ります。町を抜け道路脇にNational Forestとあるものの 相変わらず荒野です。モーターホームはゆっくりと山道を登っていきます。
ふとガイドマップを見るとRVパークの標高が11,306Ft(約3,500m)とあります。うそでしょ。

「あっ雪だ!」の次男の声に前方を見ると険しい岩山の頂上に残雪が光っています。車一台がやっとのこの道はその頂上へ続いているのです。「スゲー」次男の言うとおりの景色が広がっています。麓まで何もさえぎるものもなくガードレールもないのです。膝はガクガク手は汗ばんできます。長男長女はスヤスヤ眠っています。ギラギラした太陽が異常に近くにあります。昔見た火星の想像図を思い出します。

突然前方からビール片手の人々をぎゅう詰めにした軽トラックが。どうすれ違ったかは覚えていません。ついに山頂到着。インターネットでしか予約できない訳がわかりました。無人のRVパークなのです。掲示板にルールは書いてありますが設備は何もありません。数台のモーターホームはありましたが我が家ほど大きいのはありません。
結局十分な水その他(心構えも)の用意もなかったのでアウトドア初心者マークの私たちは引き返すことにしました。

帰る前にエンジェルレイクを探したのですが、見付けられせんでした。あの世に近いからエンジェルレイクなのか幻の湖だからか、でも地図には間違いなく存在しているのです。

その夜はさらに250km西のウィネマッカWinnemuccaのRVパークに変更です。パーク内はシニアしか見当たりません。彼らは子供ではなく犬を連れネバダのカジノを渡り歩いているのです。夕食はレンジで作れる蒸し鶏の冷製。ネバダはとにかく暑いのです。

★7月29日(月)

早朝に出発。また同じ風景が続くなか忽然と巨大な町が出現。マリリンモンローの『荒馬と女』の舞台となったリノRinoです。でも暑いしカジノばかりでつまらないのですぐに出発しRVパークのあるカーソンシティCarsoncityに向かいます。

途中山の中のヴァージニアシティVirginiacityで休憩。ゴールドラッシュ当時賑わいゴーストタウンだったのをを観光のため復活させた西部劇のセットのような町です。カラフルなお菓子屋で虹色アイスクリームを買ってニコニコの子供たちです。その直後手すりに座っていた長女が転落(アイス離さず)早々に引き上げです。怪我のわりに元気でRVパークのプールにもしっかり参加。夕食はチキン、豆サラダなど市販惣菜で終わり。やはりシニア以外見当たりません。

★7月30日(火)

シエラネバダの森の中にある観光地レイクタホLake Tahoeに向かいます。湖岸ではリスがチョロチョロ空には飛行機雲。のんびりしていて気持ちいいなーと気を抜いたのがいけません。「気持ちいいねー」次男長女は嬉しそうに着衣水泳。「あかんよー」と夫。長男はしっかり水着に。小休憩のつもりが半日過ごすことになりました。

最後の夜。スパゲティの夕食を済ませます。11日間過ごしたモーターホームは すっかり我が家です。でも感慨に浸る間もなく片付け開始です。子供たちもせっせと掃除を手伝います。みんな少し逞しくなりました。慌しく就寝。

★7月31日(水)

早朝出発、夫のアパートに荷物を降ろしサンフランシスコ郊外の返却場所へ。

夫が運転するモーターホームの後ろを次男と私が乗ったセダンが続きます。隣で次男がお経のように「右側右側右側……」と繰り返します。あと一息、“コツン”あーあモーターホームに接触。でも時間がありません。そのまま返却。無事チェック終了。アパートに戻って私は洗濯、子供たちと夫はまたプールに出掛けていきました。

これで私達一家のモーターホームの旅はおしまいです。子供たちは“お父さんと会えてプールに行ったこと”が一番嬉しかったそうです。夫はいつの日かイエローストーンに再チャレンジしたいとか。

私はとにかく無事に戻れたことに 感謝感謝!です。

イラスト/文・花山
つづく