■読者のページ〜2001年7月〜
| 『イルカにあいたい』 国土社 こやま峰子・文 大島妙子・絵 |
この絵本は、『メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン』という難病の子ども達の夢を叶える為に活動しているボランティア団体が正ちゃんの“イルカに会いたい”という夢を実現させた、実際にあった話を絵本にしたものです。
また、正ちゃんのイルカに会いたいという夢はテレビで放映され、それを観た国土社の方が、正ちゃんのお母さんにお願いをしてできた絵本だということです。実は、この絵本は正ちゃんのおかあさん自身から紹介せれた絵本です。お互いに入院をして、隣同士のベッドになったという、ひょんな出会いがこの絵本を紹介するきっかけとなりました。
絵本の中には、正ちゃんの病気のこと、夢を実現させた時のこと、そして夢を叶えた後の正ちゃんの様子などが、大島さんの鮮やかでキレイな色で描かれていて、文章もとても判りやすくて読みやすい絵本です。
最後にお母さんの言葉も載っています。私はこの絵本をかわいそうとか、暗い話として目をそむけるのではなくて、事実として、是非たくさんの人に読んでもらいたいと思いました。私には3人の子がいますが、その子達を“人に迷惑をかけないように育てていかなくては……”と考えていました。その為に、あれこれ口うるさくなったり、周りと我が子を比べて焦ってみたり……。けれども、この絵本の特にお母さんの言葉を読んでから、“私は私自身にとって都合のいい子、手のかからない子を作ろうとしていたのだ”と気づきました。
病気があっても、何かができなくても“やっぱり自分の子ども達を一番愛している。そんな親としての基本的な事を忘れていたのです。
最後に正ちゃんのお母さんからのメッセージをお届けします。
「“どうしてうちの子だけが……”と思う日が続き、人の眼が気になることもあったけど、だったら同じ境遇の人とだけ付き合うのか?という事を自問自答した時にそんな人はいやしない!それにもしも、いたとしても、それじゃあ世間は狭すぎる!正平の病気は一種の個性なんだと思ってからは、多くの人に正平の事を知ってもらいたい!その為にもこの絵本をたくさんの人に読んでもらいたいのです。」
皆さん 是非、手にとってご覧になってください。 私は、ムコ多糖症(ハンター型)の息子正平、順平の母親です。
進行していく病状、知的障害、何か問題が起こるたびに試行錯誤しながら悩んだり、迷ったりして、やっと私たち親子が進むべき道を見つけては前に進んできています。
この本を読んでくださった皆さんにお伝えしたいのは、私は特別出来の良い母親でも、神様のような母親でもないと言う事です。そんな普通の何処にでもいる母親が、ちょっと子どもへの接し方や見方を変えただけでも、心が軽くなったり子どもの態度まで変わってきたりその変化に私自身驚かされることがあります。
現在、私は膵臓治療の為に千葉大附属病院に入院しております。その間正平は地元の身体障害者施設に預けているのですが、先日の外泊時に大変嬉しい出来事がありました。それは2年程前から私は子供達に対して、当たり前と思える事も口に出して毎日伝える事を実践してきました。
「ママは正平君のニコニコのお顔が大好きです!」大きな声でハッキリと言うのです。今までの正平は、ただニコニコと嬉しそうにするだけだったのですが、先日の正平は違いました。
私が「ママは……」と言い始めると「正平君のニコニコの」と続きを言い始めたのです。嬉しかった、素直に嬉しかったです。しばらく会えないでいた私の言葉が「ちゃんと正平の頭の中に残っていてくれたんだ!」こんなしあわせな気分にさせてくれる正平に、私はいつも支えられています。
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