■読者のページ〜2000年12月〜

『知られざる 極東ロシアの自然』を観て

この特別展を最初に観に行ったのは夫と小1の息子と小2の娘でした。

意外にも夫は子どもが学校から持ち帰ったチラシを見て、近いこともあり、是非講演会にも合わせて参加したいと思ったそうです。普段はあまり、感想など話したりしてくれませんが、第一声が「すごくおもしろかったよ!近いんだから行っておいでよ。」と私に勧めた程でした。

中でも、9月30日の福田俊司氏による『僕がシベリアに魅せられた訳』講演は、トラの写真を撮るためにシベリアの森林の中を入っていったらヒグマに遭遇して間一髪のところで助かった話など……思いのほか面白く、ワクワクさせられたようでした。

でも、子連れで行った夫は「スライドなんかを見せながら話してくれたら、子どもも楽しく話が聞けたのでは……。」と少し残念そうでした。

小1の息子は、剥製の大きなトラが印象的だったようで、「嘘で作ったみたいに大きいけど、昔は本当に生きていたんだよ!!」と話してくれました。私が「お父さんよりも大きかったの?」と聞くと「もっと、もっとだよ!!お父さんも一気のみされるくらい大きいの!!」と言っていました。

小2の娘は、シベリアに生息する10種類近くの動物の毛皮を触ってきたらしく、オットセイやオオヤマネコの感触を話してくれました。そして、絵の好きな娘は早速、ヒグマの絵を描いていました。

翌週、今度は私と小1の息子と小2の娘で観に行きました。息子は言うまでもなく、トラに一直線!まるで自分が仕留めたトラを自慢するかのように「凄いでしょ!」を連発していました。でも、本当にあのトラの大きさは“見る価値あり”です。剥製とはいえ、大きさに圧倒された私です。

そして娘とは、いろんな動物の毛皮を触り、肌触りや色艶などを比べていると娘が「お母さん、どれが一番好き?」と聞くので「オオヤマネコ!」というと娘は「はあ!良かった!私は北極きつねだから、もしも、これを貰えてもお母さんに取られる心配がないから!!」……ですって!?(絶対に貰えるはずもないのに、本気でほっとする娘でした。)

他にも、床には動物たちの足跡があったり、“ぬいぐるみではありません”などとあるラッコの赤ちゃんの剥製は但し書きがないとぬいぐるみにしか思えない程かわいいものでした。

海外学術調査チームの様子は、解かりやすいイラストで表現されていて子どもにも楽しく様子を伺うことができるように思いました。

また、たまたまでしょうか行く度に、精密なペンで描いたいろんな動物の絵はがきが頂けてステキなおみやげになりました。

『ロシアからの渡り鳥(冬鳥たちの世界)』公開シンポジウムを聴いて

11月18日(土)『ロシアからの渡り鳥(冬鳥たちの世界)』という公開シンポジウムに行ってきました。

9月30日(土)の講演会を珍しく夫が聞きに行き、とてもいい感想をはなしてくれていたので、講師の先生は違いますが機会があれば、是非私も聴きたいと思っていました。

けど“講演会”ではなくて“公開シンポジウム”とあったので話が専門的過ぎて聴いたところでチンプンカンプン……?なんて事になったらどうしよう……?!と思った私は取り合えず“シンポジウム”という言葉を辞書で引き、意味を理解することから始めました。

『シンポジウム』ひとつの問題についてまず何人かの講演者が意見を述べ、それに基づいて聴衆も加わって質疑応答や討論を行う形式の討論会(……辞書を引くんじゃなかった……(*_*))

かなり高度な会のようだと感じつつも“シンポジウム”などと言うものに未だに出席した経験のない私は好奇心を掻き立てられて行ってきました。

当日は子どもの学校行事と重なり、ぎりぎりに講堂に入った私は席に着くなり、緊張してしまいました。だってどう見ても、聴衆者は年配の人ばかり……。みんなが知識人に見えて内心は……やっぱり場違いだったかなあ……当てられたらどうしよう……?!まるで、だれも頼る事のできない宿題忘れの子ども?!状態でした。

でも、おかげで緊張感があり、いろんな研究者の話をしっかり聞く事ができました。代わる代わる講演をされる方の大半が県立中央博物館の方で話す内容は当然のことながら自分の特に調査している分野の事なのですが、なかでも“トモエガモの越冬生態”“シギ・チドリたちの生態”の話は写真を見せられても、なんという鳥かも判らない私にも面白く聞ける内容でした。

知らなかったのですが、千葉は温暖な為に冬鳥は多く飛来し、鳥の種類は少ないものの、密度が多いのだそうです。例えば幕張メッセなどの近くに生息しているシギなどは、満潮時には、メッセの駐車場のコンクリートの上で固まって休んでいたり、繁殖期にはそこに卵も産んだりしているそうです。これは写真を見せて説明してくださったのですが、これには本当にビックリでした。コンクリートのジャリのような模様がシギの卵と同化して見えてうまく保護色になっていたりして……。

また、シギやチドリの細かい調査というのは1996年よりNGOで開始したという事で、つまり3、40年前とだって比較しての調査などできないとか目で見た飛来数が少ない事で要約という訳でもないでしょうが調査が始まったのかなあ……などと感じてしまいました。

かたやトモエガモの方はといえば、日本に飛来して来る半分は石川県に生息して、次いで新潟・岐阜・岡山……などつまり、日本海側を中心にしているのだそうです。

またカモは昼間は眠る事が多く、暗くなると水のある田んぼにエサを採りにやってくるそうです。最近の田んぼは稲刈りが終わると、また春に稲を植える前に機械を入れて土をおこし易いように水を抜く事が多いのだそうです。

でも、それでは、水に、カモのえさになるものが生息しないし、平たいくちばしのカモにはとってもエサを採るのが難しいのだそうです。また、カモは、生息する池の半径10キロ以内の田んぼでしかエサを採らないという事も昨年末から今年の初めぐらいまでの調査でわかり、この発表をされた方は、1年中田んぼに水をはっていても春に機械を入れる際に不都合はない事や、カモが田んぼでエサを食べてそこで糞をすることで、稲作に使用する肥料が半分で済む事などを立証させて国内有数の水鳥渡来地である片野鴨池の水田に協力してもらっているのだそうです。そんな訳で、肥料半分のカモさん協力のブランド米を来秋販売するのだそうです!!名前は『加賀のカモ米』1袋……5キロ入りだそうです。

他にも冒頭では、カムチャッカ半島や北千島で驚く程のエトピリカ・おおせぐろ・ゆりかもめ・大せぐろかもめを見たとも話しておられました。

私の感想はどの鳥もいつ絶滅してもおかしくないということです。それも殆どが人間のせいで……“調査”なんていうと、カッコよさそうに思えるけどとっても地味でコツコツと寒い中絶滅の危機などを立証し、メディアなどで取り上げてもらわないと、みんな言葉を話したり反撃してきたりしない鳥のことなんて気にも留めないのかなあ……と今まで、平気で鳥さん達の生活の邪魔をしていながらつくづく感じてしまいました。今に本当にヒッチコックの『鳥』みたいに鳥に裁かれる日がきちゃうかも?!

今回、シンポジウムといってもスライドをみせながら、わかり易く説明してくれた鳥の話は小学校高学年なら、十分理解できる内容が殆どだったように思います。

タイトルは忘れてしまったのですがベネッセから出版されていて以前友人が絶滅してしまった鳥たちの悲しい行く末を書いた絵本を貸してくれたのですが、当たり前みたいにどこの公園の池にもいると気にもとめなかった鳥達がこういった本に載らないようにしていかなくては……それにはどうしたらいいのか?身近なことから……なんてね?!

残念ながら講演会は最後までいることができなかったのですが、家に帰っってこの話を子どもにしました。私ができる事は、我が子に“人間の便利にしたいという欲求が他の動物の命を縮める事になる”と伝えていくことぐらいです。

しかし、その感想は……『加賀のカモ米』をみんなで食べよう!?でした(~_~;)人に伝えるって難しい……。

(Mrs.Bianca. )