■えるふ流読書法〜2004年2月〜
穏やかなお天気のお正月を迎えた。店もお休みだからボンヤリと朝寝坊をして、あまり時間を気にしないで一日が過ごせる。ただホームページの更新を毎月5日と決めているものだから律義に守っている私としては、仕事上の本読みから離れるわけにはいかない。
この12月はあまり絵本が売れなかった。クリスマス関係の絵本の新刊に優れた本がすくなかったためだろうか、絵本というより読み物のほうが売れた。
その中でもちょっと異色だったのは高橋邦典 写真・文『ぼくの見た戦争2003年イラク』と村上龍 編・著『13歳のハローワーク』だった。『13歳のハローワーク』については次回紹介するとして、『ぼくの見た戦争2003年イラク』はいうまでもなく、いま、日本が戦後はじめて他国に自衛隊を派兵するイラク戦争の写
真集である。
A4版にちかい大きさ、戦車をバックに一人のイラク人の男が女の人を背負っている。男の人は泣いているようにも見え、背負われている女の人はどこか遠くを放心したように見つめている。前見返しは開戦直前の兵士たちの影、そして、アメリカの国旗が翻り、ページをめくるとアメリカ兵士たちの行進、報道カメラマンの著者はこの取材をするためにアメリカ軍と行動を共にし、見た、記録である。(今回アメリカは報道カメラマンを従軍させた。)だからこの写
真集の主人公はアメリカ兵士たち。
もちろん、戦闘でケガをしたイラクの兵士たちの写真がある。涙を流して叫んでいるイラクの老人、避難民、フセインの像を倒している民衆や子ども掠奪している民衆、アメリカの落としたクラスター爆弾でケガをした少年など、イラクの人々の写
真が載っているがアメリカの友好国である日本の若い(1966年生まれ)報道写
真家が正義のためにイラクに兵を進めたアメリカ軍の内から見たイラク戦争の写
真集である。
ページをめく りながらいろいろなことを思った。私たちはイラクの人々から見た報道写
真を目にすることはない。(日本のメディアを通して見ているわけだからあたりまえの話なのだが)そして、連日テレビで報道されていることなのだが、テレビの映像は一方的に流れていく。目の前をあるスピードで流れていって、心に留まることが非常に少ないのではないかと、これもまた、テレビのもっている特質をあらためて再認識した。
また、“とてもむごいから子どもには見せたくない。”と言う人がいた。どの子どもにも強制的に見せたいと思っていないが、一方では日本の子どもたちは(もちろんおとなも)食事をしながらテレビをつけている。そこではアナウンサーは早口でまくしたてていて、戦場の様子がスピードあげて流れていき、友好的日本の自衛隊の同じシーンがくり返し流されている。
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惨くて……と言う人は、おとなが見て、読んで、10代位の子どもたちとは話合うことが必要だし、努力しなければいけないと思う。
お正月の4大新聞の全国版にこの本の広告が全面で載った。反戦広告ではない。この本の広告である。一冊の戦争の写
真集の広告が大きく載っている、このことも私には目をみはる驚きだった。
『ぼくの見た戦争〜2003イラク』
高橋邦典
/ポプラ社 |
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