■えるふ流読書法〜2003年1月〜

今年は未年、ひつじ年です。十二支のことは何となく皆知っていると思います。

昔、 中国から伝わったもので、方角や時刻や年月を表していて、生活に大変かかわり深かったものでした。ネコが入っていない理由はたくさんの本で書かれていますが、辰(龍)は想像上の生き物なのにどうして入っているのか、生活に有用だというけれど羊は身近にいる動物ではなかったので何か気にかかっていました。

龍は想像上の生き物というより中国では実際にいたと考えられていた(川の守り神)とのことは大いに納得のいくことでしたが、未のことはあまりよく知りません。ひつじ年の字が未にあてられているのは、中国語で羊の鳴き声をウェイといい、読みが近いので未があてられたとのこと、日本では何と鳴くのでしょうか?(以前にも書いたことがありますが私は子どもの頃一時期ヤギの乳を飲んでいたことがあり、どうもヤギと羊が混同されていますがメェーエですよね。)

未年を迎えて引っぱり出してもう一度読んでみました。(本はこれができるので良い!)

『羊の博物誌』百瀬正香/著 日本ヴォーグ社刊です。何はどうであれ博物誌にはおもしろい本が多くて、見つけると読むことにしています。外国の児童文学には羊と羊飼いがよく出てきます。特にヨーロッパ、イギリス、北欧圏には多くてアメリカにはあまり登場しません。アメリカはなんといっても馬が多い、もっともアメリカ先住民にはバイソンがいますが物語の中にはあまり登場しません。中国や東南アジアでは馬や牛です。

この本はイギリスにおける羊の種で構成されているので、種の保存などのことも書かれていますが“博物誌”なのでその他の色々の話が書かれています。

例えば♪キラキラ星のもと歌である『マザーグース』の中にある『ブラック・シープ』、この作者は18世紀のスコットランドの詩人であるロバート・バーンズであり、この頭の先からしっぽまで全身真っ黒な羊はブラック・ウェルシュ・マウンテンといい、この種のオリジナルであるウェルシュ・マウンテンは新石器時代からウェールズ地方にいたとのこと。

『ピーター・ラビット』の作者ビアトリクス・ポターは後年羊育業者として活躍したのですが、その羊はハードウィックといい『ピーター・ラビット』の舞台である湖水地方にしか見られないことなど、羊の種類だけでなくたくさんの興味ある話が書かれています。

羊の語源はサンクリット語で民族の移動と 共にイギリスへ渡った。ヨーロッパの遊牧民、ローマ軍の侵攻、そしていま注目のイラン、イラク、アフガニスタンの絨毯、もちろんシルクロードは絹だけの道ではなかったのは言うまでもありません。



羊は毛だけでなく肉も乳も皮もそして糞も人間に貢献してきました。日本に入ってきたのが遅かったのはあまり肉を食べなかった食文化と、高温多湿の夏を抱えている気候が原因かと、これは私の見方です。性格はおとなしく臆病で従順、常に群れで生活します。(群には羊が入っています。)そして、寒く厳しい、どんな環境の中でも耐えて生きていきます。

ちなみに私は年女、群れで生活するのをあまり好まない未です。“未からぬ未がいても良いのではないか!”とつぶやきながら、さあ今年もスタートです。

『羊の博物誌』百瀬正香 著/日本ヴォーグ社刊