■えるふ流読書法〜2002年6月〜

9月のテロ事件以後、経済的な不安も伴って落着かない日々が過ぎて行きます。

アフガニスタンはその後どうなったのでしょうか?そして、パレスチナとイスラエルの問題、インドの事、若いパレスチナの人達が次々と自爆テロで死んでいきます。巻き添えをくった人々、争いの舞台になって殺された人々、そして、日本では“有事関連3法案”が突然のように国会にかけられ、審議不十分のまま迷走しています。

この法案については、5月26日付け朝日新聞日刊・オピニオンの欄で橋本大二郎高知県知事が〜政府に白紙委任はできない〜と書かれていますが、ほんとにこの論評の通りだと思います。

嫌な事件があり、何かもみくちゃになってどこかに運ばれていかれそうな気分です。この気分は幼い頃、海で溺れそうになった時の気分に良く似ています。やっと少し泳げるようなっていました。その時の海は少し波が荒かったのですが、良く晴れた日でした。日本海の海はある地点からぐっと深くなります。だから沖に向かって泳いでいくほど自信のなかった私は横に泳いでいました。けれど、真直ぐに泳いでいるわけではないから、いつの間にか深い所に出ていて、一瞬足がつかないことを知ってパニック状態になり、むやみに騒いで溺れてしまいそうになった時の焦りと恐怖は今も良く憶えています。

悪はそんなように来るものかもしれません。争いは突然テレビの中の様にどこかから降ってくるものではなく、気がつかないままにボツボツと色んなことが起こり、毎日に追われてあまり深くそのことを考えてもみないうちにジワジワとしのびよってくる、そんなことをこの頃感じます。

それに私は全く戦争を知らない世代です。だからそれがどんな形で、どんな状況で目の前に現れてくるのか、想像するだけで良く分からないというのが本音です。子ども達に教えようにも経験がない、私のそれは本を読んだり、人の話を聞いたり、見聞きしたもの、精一杯想像を巡らしたものでしかありません。まして子ども達は想像すら出来ないかもしれません。それにしてもこの不安感は一体何なのだろうと思います。



監修:坂本龍一+sustainability for peace
幻冬舎

『非戦』この本は9・11の事件の時、インターネットを通じて重要だと思われる記事などを見つけて、メーリングリストを作り、そこに参加していった人々の声をまとめて出版したものです。アメリカの下院議会でブッシュ大統領に武力行使を認める決議が採択された際、たった一人で反対したバーバラ・リーからはじまって67人の意見が述べられています。(私が関心をよせるミュージシャンの坂本龍一が監修したので音楽関係の人も多い。)

今年の一月に出版されて、すでに一度読んだ本なのですがもう一度読み返してみました。本の帯にはこう書かれています。

〜戦争が答えではない。全世界が切望する“希望ある未来”のために戦争という暴力は認められない。世界の深い亀裂を埋める平和の種子を集めた一冊!〜

何度か読み返すことによつて平和の種子になっていく、それが本を読むことなのだと考えるからです。何が出来るか分からないけれど、今の私にはまだ考えることが出来る、素直に感ずることが出来る。この種子は大切にしたいと思います。本を読みながらそんなこを考えます。