●ロンドン便り〜2002年8月〜

今月は英語と子供教育についての紹介です。

以前イギリスでは教育においても階級差があったと言われていますが、現在はそれはほとんどなくなりました。もちろん、親が通っていた学校に子供も通うということはあります。しかし、ここでは親は子供が将来どんな仕事に就きたいか、何になりたいかを尊重するので、幼い頃から何事にも責任を持たせて義務教育を終えるときには独立し、それぞれの生活を始めます。

ここでの子育てで日本と違うのは、常に親が子供に注意を払うことです。

12歳以下の子供を保護者、又は第3者の監視なしに留守番させたり勝手に外出させたりすることは法律で禁止されているため、日本では認められている子供だけの登下校もできません。

そのため、共働きの多いイギリスではベビーシッターとチャイルドマインダーのサービスに頼る家庭がほとんどです。

ベビーシッターは住み込みで働く人もいますし、依頼によっては1日中子供を預かる人もいます。チャイルドマインダーとは、子育て中の母親が自宅で5歳以下の子供を3人まで預かる私設保育所のことです。彼女たちは地区の社会福祉協会によって認定されているため、子供を預ける際には認定書の確認ができるし、何か事故などが起こった場合にはベビーシッターよりは安心できるということで信頼されているようです。

保育園は3歳からで週5日制で午前か午後の2時間だけ。

ただ、これは公立校であって、私立校だと時間も授業料も変わってきます。

子供がまだ1歳にもならないうちから保育園に預ける場合、保育料は月に14万円にもなってしまうので日本と比べるとかなり高くなります。

また、教会や公園の中にあるプレイグループは毎日午後1時から4時まで開かれているところもあり、ここでは館内に子供の遊ぶおもちゃのほかにキッチンも付いているので、離乳食を温めて子供に食べさせたり昼食を食べることもできます。

保育園に通うようになった子供は4歳になるとレセプションと呼ばれるクラスに入り、英語や算数の勉強が始まり1年後の5歳から小学校に入ります。小学校は5歳から11歳、中学校は11歳から16歳でここまでが義務教育になります。大学進学者のみが通 うシックスフォームと呼ばれる高校には誰もが進学するわけではなく、成績や家の仕事などを理由に進まない生徒も多いと聞きます。

これらの学校は週5日制で新学期は9月から、日本と同じく3学期制ですが、家庭の事情により子供を2週間程度は休み以外に休ませることができます。多国籍のため、小学校では英語の補習授業も行っています。

ロンドンには国際結婚をし、子育てをしている日本人女性の会がありますが、ここでの子育ての悩みと常に話題になるのは子供の言葉の問題です。ずい分前に会った日本人女性で(イギリスにいるのだからまず子供には英語から教える)といっていた人がいましたが、彼女の子供は両親が日本人にもかかわらず日本語がまったく話せません。

子供は言葉を覚えるのがとてもはやく、保育園に入るまで親の母国語だけで育っていても入園3ヶ月後には英語が話せるようになります。そうなると母親と話す以外はすべて英語になるので母国語を忘れてしまうのです。現在、イギリスに住む日本人は約5万6千人でそのほとんどがロンドンに住んでいるため、数校の日系幼稚園から大学があります。日本に帰国してからの不安がないように進学塾に通 う子供も多いし、日本にいるのとあまり変わりのない生活ができます。

その他に、毎週土曜日に開かれている日本語補習学校では日本語の他に文化や様々なことに触れたり学んだりできるので、多くの日系人の子供が通 っています。日本では小学校から英語の授業が始まり、外国人の英語教師も増えていると聞きました。これは子供の頃から英語に触れる機会が持てとてもすばらしいことだと思います。

EUの中では、北欧の人々は母国語のほかに英語もイギリス人と変わりなく話すことができます。その中でもスウェーデンでは日本と同じように小学校から英語の授業があり高校を卒業するときには100%の生徒が英語が話せるようになるのです。子供たちは塾に通 ったりすることはなく、学校の英語の授業もスウェーデン人の先生が教えます。

しかし、日本と何が違うかというと英語の授業では先生の言っていることを聞くばかりでなく、英語だけを使う討論会や発表会が中心で宿題も英語のエッセイがほとんどです。私生活においても、テレビではアメリカやイギリスの番組が常に放送されているし、書店で売っている雑誌も英文で書かれているものが多い、というように生活している中に自然に英語があるので、これが英語を学びやすくしている環境じゃないかと思いました。日本も以前に比べると日本に住む外国人も増え、なにかと英語に接する機会が多くなっていると思います。英語を学びたいと思っている人々にとってこうした環境が勉強するのに大切なことだと感じました。

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