
| ■会留府のこと〜2001年8月〜 7月12日予定どおりに『ハリー・ポッター』3巻が出ました。 会留府も前から予約が入っていて、注文は出しておきました。ところが、やっぱり!一部の大型店や大学生協には11日すでに並んで売られていました。会留府は2回に分けて出した注文のうち1回分だけ減数されて来て以後未入荷です。当然キャンセルがあり、信用をなくしてしまいました。 でも、いまさらのことではないのです。ベストセラー本は取次ぎからの出庫調整があります。バタバタ腹を立てて怒ってみても残念ながらどうにもなりません。私は本屋ですから出来るだけスムーズに本を手渡したいと願っています。 でも、注文を受ける時“発売日には難しいかもしれません。ごめんなさい”と言うこともあります。発売日と発行日がちがったり、新聞広告が実際に発売されていない、予定の広告のことも良くあることです。本屋としての私のちいさなプライドが傷つくこともあります。 そんな時は場合によって大型書店から買ってきて売る(当然のことですが儲けは全然ありません)、これは私の所だけがしていることではなく、小さい本屋はみんなしていることです。それくらい今の本の流通は大型書店中心になっています。 どこの世界もそうなのかもしれませんが、小さい店は資金力もなく条件も悪く“このままだとやめてもらってもかまわない”とまで言われることもあります。 ところで、実は『ハリー・ポッター』というか出版社の静山社に、私はあるわだかまりがまだ解けないままにあります。 以前朝日新聞に『ハリー・ポッター』の2巻に差別用語が使われていて、ある団体から削除の申し入れをうけて、66刷以後その文章は削除されたのですが、以前の本は回収されたわけではないので、その団体が図書館や教育委員会、大型書店に子ども達の目に触れないように申し入れを行ったとの記事が載りました。 私達の仲間は12月に集まった時に話題になって話し合われました。差別語についてはその言葉が問題というよりその言葉がどう使われているかが問題なのではないか、原書と照らし合わせても削除しても本そのものには影響がないのではないか、けれどその団体が図書館や学校へ申し入れ書を送るやり方はあまり良い方法ではない、それよりマスコミなどを通じて自分達の主張を訴えるべきではないか、等々の意見が出ました。 勿論、その団体に真相と考えを聞いてみました。マスコミ等に訴える方法のことはそのことで寝た子を起こすようになっては嫌だという意見の人がいて、内部できちんと統一されていないことも知りました。 静山社は始めは削除出来ないと拒否したのですが、申し入れを受けて66刷以後はその部分一行削除された本になりました。 けれど、どういうわけかわからないのですが、当然文章が変わったのに奥付けは2版にならず、本の中にもその旨書かれていません。私の店でも納品したA図書館から66刷以後の本と取り替えてもらえないかとの申し入れがあったので静山社に電話したところ“いたしません。弁護士とも相談していますが法律的には問題もありません。奥付けを変えることもいたしません”と言われ正直ビックリしました。 A図書館は新しく買いました。前の本は児童室から引き上げました。 奥付けはその本の戸籍のようなもの、また、その本に係わった人の責任を明記するものです。 静山社の社長がこの本の訳者でもあるし、国際舞台でも活躍している人なので、なんとも理解に苦しむことでした。いつまでも心の奥にひっかかるものがあります。 ちなみに、2001年7月現在、2巻は初版120刷と奥付けに書かれています。 |