
■ボストン便り〜2004年4月〜
息子がベッドに入っておよそ30分を過ぎたころ、寝室からうめき声とも読経ともコーランの朗読ともつかない結構真剣な低い声が流れてきました。 何事かとちょっと覗きに行ってみると、息子が布団をかぶって震えながら必死に手を合わせています。借りてきた本のことを思い出したら怖くて怖くて古今東西神様や仏様や良く分からないけどマホメッドや(ポケモンやら遊戯王やら仮面ライダーやら)にお祈りをしていたと言うのです。やっぱり8歳になっても子供は子供。 昼間、息子は学校の図書室から「日本の幽霊」「妖怪百科」「American Ghosts」「Vampire world」など、あまり趣味の良くなさそうな図書を和文英文取り混ぜて盛大に借りて帰宅しました。 そういえば私も幼少のみぎり、何を血迷ったか「日本の怖い話」云々という本を父母にねだって買って貰ったのはいいのですが、とても怖くて数ページ読んだら本棚にしまって、でも夜になるとその背表紙がベッドから見えるだけでも怖くて本棚の後ろに放り込んで明かりを消したら月明かりほのかに白い影が本棚の辺りに垣間見え……って、とっとと布団かぶって早く寝なさい明日も学校です朝起きられませんよ遅刻してもいいんですねって感じです。
うちのアパートくらいのお化けが出てきたらどうしようとか日本語じゃなかったら"Hey,Get out"で消えてくれるかなとか(注)歯の根は会わず膝は止まらずという状態で八百万の神様に助けを求めていた模様です。 日本にでもいれば大槻先生に一喝していただくか、吉村先生にミイラ発掘の実際……だれも呪われてませんって……を講義していただくところですが、残念ながらボストンですのでそれもかないません。翌日近所の図書館に「幽霊の種明かし」の本を探しに行くことを約束して、眠くなるまで少し側にいてあげました。
本を選んでいるうちにお化けの事なんかすっかり忘れた息子は、学校の宿題でやる「有名な女性の伝記」を探し始めました。私も手伝って探し始めたのですが、なかなか伝記のセレクションが面白いのでリストしておきます。
こちらに説明を書いておきましたのでクリックしてみてください 現大統領とファーストレディは在任中に伝記になってしまうのだ……と感心してリストを辿ると、Colin Powell国務長官やCondoleezza Rice国家安全保障問題担当大統領補佐官も伝記になってます。Rudolph Giulian元NY市長もHillary Clinton上院議員も。将来ハーバードのケネディスクールを目指すお子ちゃま向けにちょっと人選が偏っている感じがします。でもなぜか8歳前後用にはWilliam J. Clinton前大統領がありません。アメリカの栄枯趨勢をちょっと感じましたが、在任中はあったんでしょうか。 息子も学校でMartin Luther King Jr.について約1ヶ月ほどかけて伝記を読んだりして勉強していましたが、このリストでも32人中5人が公民権運動活動家や奴隷開放活動家です。小さいころから自分の国の苦悩をしっかり学ばせようという率直な姿勢がアメリカ的です。ちなみにこのリストを知人に見せたところ、普通の教育を受けたアメリカ人なら殆ど全員知ってる名前だそうです。私は名前を知ってるのが7割くらい、詳しく知ってるのは半分くらいでした。私の世代だとやはり伝記といったら豊田佐吉やキューリー夫人が出てきちゃいますね。 息子は結局Amelia Earhartの伝記を借りて、彼女の人生のポスターに作ることにしました。彼女は大西洋横断飛行を行った初の女性パイロットで、その後ルーズベルト大統領の奥さんに操縦を教えるなどパイロット育成に励みつつ、1937年、世界一周飛行に挑戦しました。 やっぱりパイロットというのがcoolらしいですね、男子には。彼女の愛機真紅のロッキード・ベガやエレクトラ10Eスペシャルも気に入ったみたいです。家に帰ったら「世界一周飛行の途中太平洋で消息を絶ったんだけど、実は宇宙人にUFOでさらわれたって話も……(注)」ってお話してあげよっと。また夜寝られなくなっちゃうかな?
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