■ボストン便り〜2003年10月〜

息子のお気に入り

9月になって、レイバーデーの祝日あけから新学年が始まります。小学校がお気に入りの我が家の息子の持ち物を紹介しましょう。

1・お弁当

何はなくてもお弁当、です。アメリカの学校らしくキャフェテリアでlunchを買うことも出来ます。その日の10時までに番号とお昼代を書いた小切手を払っておいて、あとは自分のID番号をレジで言えば……1年生はかわいいIDの札を作ってもらって首から下げてますが……お昼を買える仕組みです。ホットドッグ、チーズバーガー、マカロニグラタン、ピーナッツバターサンドイッチとかから食べたいものをチョイスという感じで、御子様大喜び・親は目を疑いたくなるようなメニューが多いのですが、息子はそんなにlunchを食べたがりません。

父は中学高校と6年間シーチキンサンドイッチを食べつづけたくらいですから、息子にも食べ物に対して保守的なDNAが刻み込まれてるのかも知れません。ま、気が向くとlunchを買う週も在るのですが、息子は基本的にはお弁当です。lunchを買う、買わないに関わらず学年みんなでカフェテリアに行って食べるので、学年ごとにお昼の時間をずらしています。2年生は12:00からご飯です。


アレルギーに対しては結構神経を使っているみたいです。

学校から「ピーナツアレルギーのお子さんが何人か見つかりましたので、カフェテリアに“ピーナツフリー”ゾーンを作りました。ここではピーナツフリーのランチしか出しません。このエリアではお友達とお弁当の交換なんかをしてもいけません」なんてお達しがきてます。

逆説的にいうと、アメリカの子のお昼の定番はスキッピー(ピーナツバターの有名ブランドです)のサンドイッチ、というのがよく分かります。

2・スナック・ジュース

一番の日本との違いはこれです。毎日おやつを持って行くのです。先生によっては何でも有りですが、息子のクラスは「健康によさそうなもの・甘いお菓子は禁止」なので、息子は良く海苔巻せんべいを詰めていったり、イチゴを詰めていったりしてます。小さいパックのコーンフロスト(お菓子には該当しないらしい)を箱で持ってくる子とか、バナナ一本ゴロっと持ってくる子もいるみたいです。本当は、先生はお野菜のスティックとかを詰めてきてくれると一番うれしいらしいのですが。息子は最近アボガドの刺身にはまってますので、今度詰めてやろうかな?午前中9時30分くらいにスナックタイムがあって、そのときに食べます。

どうも学校に毎日スナックを持たせるというのは日本人にとってなかなか罪悪感を払拭できないので、「多すぎて怒られるといかんな」と、ちまちまと煎餅数枚をタッパーに入れてもたせていました。そしたらある日、TBEの先生から「もっといっぱいスナックを持たせないと、担任の先生が、『この子は発育不良になるんじゃないか』とか、『虐待を受けてるんじゃないか』と 誤解するので、 思いっきり持たせてください」と注意されました。以後、残す残さないは当人の判断に任せ、タッパーに海苔巻せんべいを思いっきり詰め込んだりしてます。

おやつと一緒に飲み物も持っていきます。これも先生によりけりで、500ccくらいのコカコーラをボトルで持ってくる子がいるクラスもあるみたいなのですが、息子は大体紙パックのアップルかグレープ、ストロベリージュースを持っていきます。一応気にして果汁100%のジュースを選んでますが、こちらでは100%と言っても「コップ一杯で“カルシウム”牛乳換算360cc!」とか「ビタミンA,C一日摂取量200%、ビタミンE130%!」なんてラベルが踊ってまして、「どこが果汁100%だかちゃんとそこに座って私の目を見て説明して御覧なさい」と小一時間詰問したくなるジュースだらけなのでなかなか侮れません。この用途向けに、スーパーでは小さなパックのジュースを山のように売っています。

注釈・TBEとは

Transitional Bilingual Education(過渡的2言語教育)というのは私が住んでいる市の小学校システムの特色で、市内の公立学校が学校ごとにヘブライ語、中国語、韓国語、ロシア語、日本語のバイリンガル校(おのおの英語+1外国語)になっており、母国語がこの言語に該当する子供は学区に関係なく担当言語の学校に行きます。各校にその言語のネイティブスピーカの先生、息子の学校の場合は日本人の先生がいて、フォローをしてくれます。

というわけで、息子の学校は町じゅうの日本人の子供がきていて、総生徒数の約15%くらいになっています。このTBEというシステムも、去年の選挙で可決されたUNZ法の余波をうけ、今年からはELLという名前に変わり、システムもちょっと変わってきています。

3・水

最初はミネラルウォーターの一番小さな150ccくらいのビンを持たせていったのですが、あまらして 帰ってきます。息子は「ペットボトル症候群になるんじゃないか」「飲みすぎて溺れるんじゃないか」と心配するくらい水分を摂取する人なので最初は不思議だったのですが、学校に行って疑問は氷解しました。学校のそこここにミネラルウォーターのディスペンサーがあるんです。

この地域は、建物によっては蛇口をひねると水道管を掃除してるんだかコップに水を汲んでいるのだか分からないほど鉄さびが出てくることもざらですから、水道水は先の長い人々には飲ませたくない感じです。業者さんがトラックで週に一回ほど、5ガロン(≒20リットル)くらいのプラスチックボトルに入ったミネラルウォーターを宅配してくれてます。このボトルからコップに水を汲むのは、ポリタンクを傾けて火がついている石油ストーブに給油するくらい難儀なので、ちゃんと逆さまにして蛇口をつけるディスペンサーという文化的な機械を同時にレンタルしてくれます。当然ミネラルウォーターはほっといたら腐っちゃいますから、電線がついていて冷却装置もついております。その脇には、昔懐かしい三角コップ(注)のディスペンサーも用意してあって、いつでもきりっと冷えたミネラルウォーターが飲めるようになってます。これでは、持っていった生ぬるいミネ ラルウォータなんて残すわけです。というわけで、ミネラルウォーターを持たせるのはやめにしました。

注釈

このミニ三角帽子みたいな紙コップで噴水つきの自販機からオレンジジュースを飲んだ経験のある良い子は手を挙げましょう。はい。30代中盤以降ですね。

4・ハンカチ

今をさかのぼること数十年前、私の小学校では持ち物検査という全体主義的な行事が毎日ありまして、ハンカチを持っていない人とか、ティッシュペーパーを持っていない人とかが朝の会で生活係さんに呼び出されて、起立させられて自己批判の対象になっていました。「いちいちトイレで手を洗った後ハンカチで手を拭く奴は女々しい」というマッチョな思想の御子様の私は、いつも一度も使ったことの無いハンカチとティッシュを机の中に放り込んでこの検査をやり過ごしておりました。立派な大人になった今でも私には、ハンカチを持ち歩く男性は「軟弱である」という偏見がございます。それはそれとして。

持ってかないものリストにミネラルウォーターが入ってしまったのですが、ついでにハンカチも持ってかないものリスト入りです。これは特に小学校だけではなくアメリカ全般に言えることなのですが、感心するほどほとんどすべてのトイレにペーパータオルかハンドドライヤーがついています。また、キャフェテリアには山のようにペーパーナプキンが用意されてます。というわけで、アメリカではハンカチさんは風邪を引いて鼻をかむ際に不幸にもティッシュペーパーが見つからなかった時の道具と位置付けられ てるみたいです。

そもそもが、アメリカではハンカチってお店でも相当探さないと売ってないし、売ってるハンカチはだいたいセンスの悪い、というかただの縁がトリムしてあるガーゼです。というわけで特にハンカチを持ってきましょうという指示はありませんし、必要になりそうな場面も全くありませんので、 ハンカチはもってきません。

5・筆記用具

学期はじめの持ち物として、鉛筆6本、消しゴム、12色入りのマーカー、スティックのり1本、スコッ チテープ、ポンプ式のハンドソープ一個その他もろもろ、とありまして、お買い物リストを作って近所の文房具店やスーパーマーケットなどを回りましてそろえまして、息子に持っていかせました所、何一つとして持って帰ってまいりませんでした。忘れたわけではございません。すべてまとめてしまって、教室に置いておいてみんなの共用にするわけです。ぁーぁ。せっかく高い鉛筆もたせたのに、とか日本から持ってきたプラスチック消しゴムだったのに、なんて事になりますので、別にフツーのクォリティの物をスーパーで一 式用意してあげ れば十分です。

「今度はアルファベットで名前シール作って、また夜なべして貼るんじゃろか」という危惧は杞憂に終わりました。というわけで、筆記用具などはまるで持っていきません。この学年最初の持ち物はスクールサプライといいまして、担任の先生毎、学年毎に持ってきてくださいというものが違います。上記の例は1年生の時で、2年生の時は「PTOからの基金とバーゲンのおかげで文房具はそろってしまったので、ティッシュペーパー2箱とウェットティッシュ」という感じでした。教科書も同様です。


基本的にアメリカの小学校では教科書は学校のものなので、家に教科書は持って帰ってこないみたいです。

宿題は基本的にプリントですから、家で教科書が必要、という事態が発生しないみたいですね。その日の時間割にあわせて持ち物をそろえさせる、なんて心配をしなくてすむのでこれは楽ちんです。

というわけで、息子は毎朝、バックパックにスナックとジュースとお弁当、それ以外にはせいぜい図書館に返す本とか宿題のプリントを1枚か2枚つめて、スクールバスにのってニコニコ通学してるわけです。

しかし同じクラスのおませな女の子は、毎朝キャスターつきのバックパックをごろごろ重そうに引きずって通学してます。あの子のバックパックの中には一体何が入っているのだろう……。

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ボストン在住ひいらぎさん一家
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