
■読者のページ〜2001年2月〜
2000年12月27日からストックホルムをうろつきに行きました。実に11回目を数えます。とはいえ、冬だけの訪問です。 さて、「会留府」では、毎月3金曜日の夜、絵本の勉強会が行われます。「子どもの本・えほん」(日本図書館協会発行)という本をテキストに、担当者は割り当てられた絵本作家について、気軽に発表などをしております。 ある日、その店主のおばさんが私に「今度、べスコフをやらない?」と聞かれました。べスコフ?だれ?なんで私に?と最初戸惑いまして、聞き流していたのですが、何度かいわれた後、ちょっと調べてみて、やっとわかりました。べスコフ……ELSA BESKOWってスウェーデンの作家じゃないですか。 大好きなスウェーデンの有名な児童文学の人なのに知らなかったなんて、何たる不覚でしょうか。スウェーデン国民の支持No.1のアストリッド・リンドグレーンや「ニルスの不思議な旅」を書いたノーベル賞作家のセルマ・ラーゲレーフはしっかり押さえていたとうのに。べスコフは、スウェーデン人なら子どものころ必ず読み、その本箱には、何冊か持っているってほどの人らしいです。 ELSA BESKOW:福音館の絵本の奥書の説明によると、1874年生まれ、1953年没。ベアトリクス・ポター(ピーターラビットの作者)に匹敵するといわれるスウェーデンの絵本作家であり、ストックホルム生まれで、子どもの本に対する最高賞ニルス・ホルゲンソン賞を受けたということです。(なお、ニルス・ホルゲルソンとは、上述の「ニルスの不思議な旅」のいたずらな主人公です。) 現在、絵本に対して、絵本作家の名前を冠とした3つの大きな賞があります。コルデコット賞(アメリカ)、ケイトグリーナウェイ賞(イギリス)、そして、エルサ・べスコフ賞なのだそうです。かなり向こうでは有名だったのです。日本にすんでいる知り合いのスウェーデンの方にも聞いたところ、やはり知っていて、本は数冊持っているとのことでした。 このようなスウェーデンの常識を知らないでは一大事ということで、図書館やインターネットで、絵本を片っ端から読み、辞書で調べたりしました。百科事典にはその名前を見つけられませんでしたが、児童書の辞典や説明書では、かなり見つけられました。 「ペレのあたらしいふく(Pelles nya klader)」「おひさまのたまご」「ウッレと冬の森」など有名で33冊も出している人だとか。花や草の自然や妖精たち、子ども達を得意としています。 children's literature in Sweden (the Sweden institute)によるとno one has painted it more naturalistically than Elsa Beskow in Tomtebobarenen(「Tomtebobarnen(もりのこびとたち)」の絵で、ベスコフは誰よりもうまく自然を描写 している)とあるほど、ポターに劣らず、草木や動物の描写については、最高のようだったようです。 この自然描写の傾向は、現代に至っては、レーナ・アンデションの「リネアの庭」に受け継がれているとのことです。自然の多い、自然に囲まれたスウェーデンだからなのかもしれません。さて、このように事前準備をして、今回はストックホルムにのりこみました。
絵はケイト・グリーナウェイのように一昔前の絵っていう感じですが、柔らかく親しみが持てます。1900年頃の本が今でも重版されていること自体驚きではないですか。 日本に帰ってきて、「ペレのあたらしいふく」を比べてみました。大きく違うのは、まず、日本のは、本を開くと左右両面 に絵がかかれておりますが(つまり両面印刷)、原書は開いた右ページにしか描かれておりません。また、原書は日本のような外カバーはなくその代わりといってはなんですが、背表紙は布で丈夫に綴じられています。色は、原書のほうが幾分淡く柔らかいかなといったところでしょうか。 それで、定価192skr(約2,500円)。スウェーデンは、日本のように人口が少ないため、本は一般 に高いそうです。が、あちらは、本の値段は勝手に決められるようで、値段のシールにはその定価と並べて、売価が書かれています。この店では、158skr(1,975円)でした。 この店はほかより安く売る傾向があるのでここで買ってしまったら、いつもは高い別 の店では138Skr(1,725円)というところもありました。スウェーデンで本を買うときは、あちこち回ってから買えと昔言われたことを思い出しました。今回は、後の店のほうが安かったのですが、あくまでこの本とあと数冊であって、全部が全部安かったというわけではありません。まちまちですので、やはり安く買うには衝動買いはぜずに、店めぐりをすべきでしょうね。 ところが、ここで気をつけなければ行けないのが、スウェーデンでは、いつもどこでも同じ本があるとは限らないということです。売れ筋だって、例外ではありません。今まで会えなかったお気に入りのリンドグレーンの「赤い目のドラゴン」(DRAKEN MED DE RODA OGONEN)を、はじめて先の店で見つけました。後の店では並べられてなかったので、今回先の店はちょっと高かったけど、そこで買ってよかったと思っています。
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