■若い人からのお便り〜2003年10月〜
★ひろやレポート2003年版
展示会『ぼくたちが世界で出会った子どもたち』を開催して……。 |
ぼくは五十嵐敬也です。よく名前を“けいや”と間違えられるのですが、“ひろや”といいます。『会留府』にはいつも大変お世話になっております。今は、千葉市立都賀中学校の1年生です。2002年の春、特定非営利活動法人『国境なき子どもたち』の『子どもレポーター』(2003年より『友情のレポーター』に名称変更)としてタイ・カンボジアに取材に行ってきました。
現地で見てきたことはショックの連続で、何度も頭を殴られたような気分になりました。帰国後は、その経験を多くの人に知ってもらうための活動を始めました。『会留府』でも報告会を開いて頂きました。また昨年夏には展示会『ぼくの体験したカンボジア』を開催しました。約500人の人に来場して頂き、感謝と共に、皆の関心が世界に向いていることを強く感じました。
それからこの1年間、あちこちでたくさんの人たちに話を聞いて頂く機会にも恵まれ、約1,000人以上の人たちに出会うことができました。たった10日間の体験がぼくを大きく変えてくれ、いろいろな意識もすっかり変わりました。何をしたら良いのか……常に考えながら、その時できることを少しずつやってきました。そして今年の夏休みには、ぼくの先輩である歴代子どもレポーターのレポートなどを紹介するため『ぼくたちが世界で出会った子供たち』という展示会を開催しました。21世紀に入ってから、2つの大きい戦争がありました。アフガニスタン侵攻と今年春のイラク戦争です。最後まで“正義”を主張したアメリカは、戦争の目的の大量
破壊兵器をついに見つけられませんでした。大国のエゴの犠牲になって死んでいった多くの人たちのことを思うと、とてもヤリキレナイ気持ちになります。しかも幼い命がたくさん失われました。
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でも、子どもが犠牲になるのは、戦争だけではありません。ぼくがカンボジアで出会った子どもたちは“トラフィクット・チルドレン”という“人身売買”された子どもたちでした。
子どもが“モノ”のように売られている……親が実の子どもを売ってしまう……という事実は、未だにどうしても受け入れることができません。
その子どもたちの明るい未来を願って、それから戦争で失われた多くの命に対する“鎮魂歌”の意味もこめて、ぼくは今回展示会を開催することを決めました。それでは報告を始めます。
★帰国後のレポートは2002年6月・7月、展示会の報告は2002年9月・10月にこのコーナーで紹介していただきました。是非バックナンバーをご覧下さい。 |
今日はお忙しい中、この会場にお越しいただき本当にありがとうございます。ぼくは去年この会場で『ぼくの体験したカンボジア』展を開かせていただきました。たくさんの方にご来場いただき心から感謝しています。また皆さんの関心が世界に向いていることを強く感じました。
あの後もいろいろなことを常に考えながら過ごしてきましたが、悲しいことに今年に入ってイラクで大変なことが起こりました。「またか……」と本当に悲しくなりました。人は何度同じ過ちを繰り返したら気がすむのでしょうか。そして、いつも多くの犠牲を強いられるのは子どもです。世界中の子どもの笑顔を取りもどすために、今回の開催を決めました。
特定非営利活動法人『国境なき子どもたち』(KnK)はいつも世界に目を向けて活動しています。ぼくはカンボジアを訪れましたが、『国境なき子どもたち』の子どもレポーター(2003年より友情のレポーターに名称変更)はいろいろな国でたくさんの子どもたちに出会ってきました。今日は本当の現実を見ていって下さい。ぼくたちの思いをわかって下さい。
また、今回の開催にあたり多くの方のご協力を得ました。心から感謝申し上げます。今回の展示会を開催したのは、特定非営利活動法人『国境なき子どもたち』(以後KnK)の活動を広く伝えるためでもありました。最初のコーナーでは、KnKが運営している『若者の家』での活動や『5円玉
キャンペーン』の紹介をしました。
第2コーナーでは、過去に派遣されたレポーターのレポートや写真をパネルにして展示しました。1995年から2002年まで34人のレポーターが、マラウィ・スロベニア・タイ・ラオス・中国・ベトナム・カンボジア・フィリピンの8ヶ国に派遣されました。派遣先で一番多いのはカンボジアです。また、新たに今年の夏2人がカンボジアに派遣されました。
最初ぼくは歴代の先輩レポーターのレポートを読んでみたいと単純に思いました。でも、読んでいくうちにこの熱い思いをもっと皆さんに知ってもらいたいと思うようになりました。先輩たちは今現在、それぞれの道で活躍されています。でも、当時のレポートを一度に見られる機会は作らなければなかなかないので、中学生でまだ時間があるぼくがパネルにまとめることにしました。
まず、事務所に相談してから、お一人お一人に連絡を取りました。勿論皆さん快く承諾して下さったので、夏休みを利用してパネルを作成しました。苦労した点は、皆さんの長いレポートのどこの部分を抜粋するかを選ぶところです。ぼくの家族で何度も読み返してみて話し合って、心に残った部分を取り出していきました。(母は何度も涙を流してしまい、作業が滞っていました。)
それから、写真はすべて著作権がKnKのものをお借りしましたが、その数も膨大でした。何度か事務所に通
い、その場でスキャンしたものをCDに落として頂き、自宅に持ち帰ってプリントアウトしました。そうやって作ったパネルに後から、派遣年と行き先の札を取り付けました。固いパネルに穴を開けたり、針金を通
したり、そういう作業を父に手伝ってもらいました。
第3コーナーには、昨年の展示会のパネルとかっぱ人形やカンボジアの紹介パネルを展示しました。『ぼくの体験したカンボジア』のパネルセットは10枚ですが、幾つかの学校にお貸しして、総合学習などに利用して頂いています。昨年の展示会で流山の小学校の先生に依頼されてから始めたことですが、とっても光栄で嬉しいことです。たくさんの方に知ってもらう……それがぼくたちの願いだからです。
このコーナーは“体験コーナー”でした。
来場して頂いた方に“ツル”を折ってもらい、皆で“ピースマップ”を作りました。初日から順々に模造紙に貼り付けていき、最終日にはみごとに完成しました。
他にメッセージカードも書いてもらったので、まとめて『若者の家』に送りたいと思っています。ご協力頂いた方々、どうもありがとうございました。
また、活動報告のビデオ上映も行いましたが、皆さん熱心にご覧になっていかれました。
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もう1つの目玉は“世界のジャンケン”! これは、ぼくの妹千香が作ってくれました。世界のジャンケンを調べて紹介したものですが、子どもたちは皆実際にやってみたりして遊んでいました。
ここにはぼくが読んだ本を並べました。自宅にあるものだけでなく、図書館から借りたものも並べさせて頂きました。
カンボジアで仲良しになったソンボン君の絵やぼくの詩のパネルなどを展示しました。
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今回の展示会のために平和のメッセージを下さい……とお願いしたら、谷川俊太郎さんと落合恵子さんが快く直筆で書いて下さいました。
本当に優しい温かい方たちで、ぼくは心から尊敬しています。ありがたく額に入れて大切に飾らせて頂きました。
またお2人のメッセージは、KnK創設者のドミニク・レギュイエさんのメッセージと共に来場者の皆さんにお配りしたパンフレットにも入れさせて頂きました。
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昨年の展示会で5円玉を集めるためのペットボトルを紹介しました。お配りしたボトルやボトルに貼るラベルを使って、何人もの方がこの1年5円玉
を集めて下さいました。 そして中には1年ぶりにそのボトルをいっぱいにして持ってきて下さった方、ひもに集めた5円玉
を400個ほど通して持って来てくださったぼくの恩師の校長先生もいらして、とっても感激しました。
継続は力なり……これからも皆で続けていけたら嬉しいです。5円はご縁……本当にそう実感しています。皆さんの優しい思いは必ず世界中の子どもたちに届くと思います。
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ぼくたちの体験をまとめて下さった本が昨年秋に出版されました。『アンコールワットの神さまへ』石原尚子著/岩崎書店(1,300円+税)本の最後には昨年の展示会の様子も紹介されています。宮城県では今年の夏の推薦図書になったので、店頭にも帯付で平積みされていたと、仙台に住む友達が報告してくれました。最終日に著者の石原尚子さんも来場して下さいました。
それから、本を読んで感想文を書いてくれた中3の方も感想文を持って来場して下さり、感激しました。本を読んで意識が変わったと書いてくれてあり、その感想文はぼくの宝物になりました。2002年夏にフィリピンを訪れた山本周平さん(現高2)の切り絵のパネルも展示し、会期中ご本人が駆けつけて下さったときには“実演切り絵ショー”もして頂きました。ラストにぼくの自作の詩『日付変更線』を日本語・英語・カンボジアのクメール語で紹介しました。この詩は帰国直後に作ったものですが、この夏のNHKの特別
番組『夢と未来へのメッセージ』の中で、小泉今日子さんに朗読して頂き、またたくさんの人に思いを伝えることができました。
(〜展示会再現〜以上)
今回は6日間で約400人の方に来場して頂きました。ものすごく感謝しています。実は今回の開催にあたり、何度も家族会議を開きました。「中学生になって忙しいのに、本当にできるのか……」「時間も費用も多くかかるけれど、その分、時間はKnKのボランティアのために使い、費用はまとめて寄付した方が、現地の子どもたちのためになるのではないか……」「去年の第2弾で人はどれくらい来てくれるのか……」などなど、問題点だらけでした。でも結局「今ならできる。今しかできない。」と思い、家族に頼んで開催を決めました。決めてからはひたすら前へ進むのみでした。たくさんの方のご協力を得て、当日を迎えることができました。心から感謝しています。ありがとうございました。これから何をしていけば良いのか……少しずつ少しずつできることからやっていきます。
ぼくの話を聞いて下さる方がいらっしゃったらどこへでも飛んでいきます。パネルを見たい方にはお貸しいたします。どうぞお気軽にKnKの事務所までご連絡してみて下さい。ぼくはできたら今年度中にでも、一緒に5円玉
を集めたり、オリヅルを折ってくれる同年代の仲間と一緒に『The Date
Line Club』を正式に作ろうと思います。『The Date Line Club』とは、『日付変更線』のことです。既に活動をしていると言えばしているのですが、正式な組織というわけではありません。そこで行う活動は決して難しいものではなく、誰でもできることばかりです。皆でたくさんのことを知る……まずは思って、皆できちんと考える……そしてできることから行動に移す……簡単なことです。仲間になって下さる人がいたら、ご連絡下さい。全国どこの方でも大歓迎です。yu0413jp@yahoo.co.jp
ぼくはこれからもいろいろ考えながら、少しずつ前へ進んでいきたいと思います。平和な21世紀をぼくたちの手で作っていけるようにしたいです。(今後の活動などは、KnKのホームページをご覧下さい。『国境なき子どもたち』
千葉市ハーモニープラザ・千葉市立中央図書館・千葉市立都賀中学校
谷川俊太郎さま・落合恵子さま
ちばかえつ幼稚園・安房母親大会・片岡さま・石橋さま・斉藤さま・金子さま
『会留府』
特定非営利活動法人『国境なき子どもたち』
ご来場いただいた皆さま 本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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