★海からのおたより・18 〜2004年12月〜

レジンペットの話

久しぶりに千葉ポートパークの人工の浜を散歩しました。先日の台風のあとと違って、目立った大きなゴミはほとんどなく、穏やかな海では腰まで水に浸かりながら貝を採っている人が何人かいました。


波打ち際から少し上の海藻が打ち上がっている場所(高潮線のあたり)に細かいゴミと一緒に小さな丸いものが混じっているのを見つけました。これはプラスチック製品の原料になる「プラスチックレジンペレット」と呼ばれるものです。直径3〜4ミリの小さな「合成樹脂の粒」は海岸の清掃をしても残ってしまい、分解しないのでとてもやっかいなものです。今回はレジンペレットのお話です。

海岸のゴミ

海岸のゴミは持ち込まれてそこで捨てられたものだけではありません。夏の海水浴シーズンは確かにアイスの棒やペットボトル、花火などが目立ちます。しかし海岸で見られるゴミの多くは生活用品や空になった容器類です。館山の海では農産物や漁業関係のもの、またお刺身の脇についてくるプラスチックの菊の花、はたまた入れ歯など、ありとあらゆるものを見つけました。いずれも川などから流れてきたと思われるものが多く、それらを「漂着ゴミ」といいます。海辺の管理をする人たちにとってこれは最も頭を悩ませている問題です。

私は海岸に打ち上がった貝をコレクションしていますが、海の底から打ち上げられる貝はせいぜい水深30メートルくらいのものだろうといわれています。大きいものや重いものはよほどの大波がこないと打ち上がりません。でも、プラスチックは大きくても軽く、水に浮くものもあるので海岸にたくさん漂着するのです。

海岸に漂着していたペレットと周りに落ちていたものを拾って来ました。ペレットは何種類かあるようですが、水を入れたコップに入れてみました。貝や石、ビービー弾と呼ばれるエアガンの弾は水に沈みますが、ペレットは表面 近くに浮いて見えます。打ち寄せる波を見ても、海面を見てもこんな粒があるようには見えませんが、実際は空き缶 よりもたくさん海面を漂っているのです。

なぜレジンペレットを今回取り上げたかというと、先月「ナミノコガイのはなし」にもあったように、東京湾の水質は年々企業や自治体の努力で良くなってきています。絶滅しかけたナミノコガイが復活したのも、“幻の貝”が確認されたのもそのせいでしょう。でも私たちが気づかないうちにペレットは世界中の海で生き物に悪い影響を与えているのです。

なぜペレットがいけないのか子どもたちと考えてみました。
プラスチックは分解しない
小さいので回収が困難
鳥や魚がエサ(魚の卵)と間違えて食べてしまう。
ポリスエチレンという種類のプラスチックは海水中の汚染物質PCBなどを吸着する。
水に浮くので一度漏出すると海流にのって世界中に漂う。(実際与那国島、小笠原の父島からも見つかったという報告がある)
海に人工のものが落ちているということ自体いけませんよね。

ペレットはどこから

ペレットはプラスチック製品の原料です。ポリエチレンはラップ類、バケツやサンダル、灯油のポリ容器に。ポリプロピレンは浴槽やザル、ひも、日用雑貨になるそうです。京葉工業地帯の真ん中の千葉ポートパークですから出所を突き止めるのは無理なことでしょう。

実際に稲毛や五井にはポリスチレンの製造工場があります。ペレットは25キログラムの袋に詰めて工場間を運搬するそうですが、袋の中にはなんと200〜300万個のペレットが入っているといわれてます。

プラスチック工業連盟では「漏出防止マニュアル」を作っています。しかし、運搬中に事故があれば劇物のような危険はありませんが、一粒残らず回収というわけにはいきません。東京湾から世界の海への新たな漏出は絶対に避けたいものです。

いろいろなペレット
私たちはどうすればいいのでしょうか

実際私たちに出来ることはなんでしょうか?ペレットは身近なところではぬ いぐるみに入っていたりするそうです。もし中のペレットが漏れてきたら早く修理したり漏れ出さないように処分したりするしかありません。間違っても下水に流さないようにしましょう。

ついつい買いたくなってしまう「100均の便利そうなグッズ」も本当に必要なものか、おもちゃもプラスチック製品はなるべくやめる、とか私たち自身の生活を見直さなければなりません。ペレットの使用を極力抑えるためにはプラスチック製品を私たちがなるべく利用しないようにするしかありません。また、一度漏出したペレットは汚れが吸着するので再利用は出来ないそうです。


コンクリートの護岸の波がかかるところにたくさんのペレットが残されていました。ペレットは軽いので波の先端で運ばれてくるのでしょう。風が吹くと転がっていきました。館山の海でも千葉ほど大量 ではないもののペレットが打ち上げられていました。今度海岸を散歩することがありましたらぜひ探してみてください。

護岸で見つけたペレット

レジンペレットについては
海辺のペレットを探して(大竹千代子/著 平部るり子/絵 小峰書店)に詳しく書かれています。
海辺のコレクション(浜口哲一/池田等 フレーベル館)には“あぶないつぶつぶ”として紹介されています。

レジンペレット関連のホームページ
クリーンアップ全国事務局(JEAN)

どんぐりつうしん変集長
谷口優子
e-mail:taniguchi-donguri@nifty.com