
九十九里浜は砂浜が続く海岸です。実際には九十九里(約400キロ)より短く、70キロほど(十八里)だそうですが、見渡す限り砂浜が続く風景は壮観です。最近では東京に最も近く、安定した高い波に乗れる、ということでサーファーたちに人気があります。
どの魚も図鑑より透き通った色をしてピカピカ光っていました。みんな「にじいろ」なんですよ。40センチほどのボラは(1番大きな獲物でした)動くと鱗が飛んで子どもたちは大はしゃぎでした。ほとんどの魚は海からあげるとすぐに死んでしまいました。「ぬるぬるするよ」と参加の子どもたちは魚をいじくり回していました。でも新鮮なせいか生臭さはそんなになかったようです。フグの仲間は(赤ちゃんでしたが)ぷくーっとお腹をふくらましていました。フグは刺激すると水の中では水を、陸にあげると空気をお腹に入れてふくらみます。小さくても毒があるので食べられません。観察の後はみんなで収穫した魚を分けました。 今回は、夏の地曳き網では収穫が少なかったそうです。「網が海底に沈んでから曳くところ、沈む前に曳いたようだ(曳くのが早かった)」とある先生がおっしゃっていました。それでも、普段九十九里浜で遊んでいても見ることのできないたくさんの魚を見ることができて楽しかったです。別のグループでは大きなアカエイが網にかかりました。アカエイはしっぽに毒針があるのですぐに切り落とすそうです。食べるとおいしいそうですが、浜に置いていってしまいました。船を片づけていたおじさんが「これに刺されたら1秒も立っていられない」とすねの傷跡を見せてくれました。刺されて亡くなることもあると本にはありました。自然との付き合いは収穫を喜んでばかりいられないのです。 観察会の後は子どもとお父さんは海水浴をしました。流れが速いので、この日は「遊泳注意」でした。旗と旗の間が海水浴場だそうですが、浜の幅が30メートルほどでとても狭く、安全に遊べる浜を管理するのは広い九十九里浜では大変なようです。遠浅で波がある九十九里は泳ぐ海というよりも遊ぶ海です。パラセイリングなどのマリンレジャーが盛んです。 一日遊んでお腹が空きました。今晩のおかずは今日収穫した魚です。大きいのがカンパチ、イシモチ、マアジ……。いずれも幼魚です。カンパチ以外は開いてそのまま天ぷらにして食べました。三枚に下ろしたら食べるところがなくなりそうです。でも、自分たちで摂った魚は格別でした。 数十年前まで九十九里から銚子にかけては日本一のイワシの漁場でした。地曳き網は16世紀半ば、紀州の漁師が九十九里浜に広めたといわれています。長い間イワシからつくられる「ほしか」は農作物の肥料として高値で取り引きされました。戦後、魚群探知機などが発達して漁も大規模になって、地曳き網はおもに観光用になりました。千葉県内では地曳き体験ができる海岸がたくさんあります。ぜひ一度、海と綱引きして収穫の喜びを経験してみてください。 |
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