★海からのおたより・11 〜2004年5月〜

今月から「親子で楽しむ千葉のはなし」という独立したページになりました。これからもよろしくお願いします。

潮干狩り

新緑のこの時期、水もぬるんで潮干狩りのシーズンがやって来ました!東京湾に面 した干潟は汐の干満の差が大きいこの季節、潮干狩りができます。アサリやハマグリを汐の引いた海岸で熊手(くまで)などを使って掘るのです。縄文時代から行われてきた漁ですが、現在は子どもでも楽しめるお手軽なレジャーとして人気があります。

私が小学生だった頃は、谷津遊園の潮干狩りが3年生の遠足でした。(歳が分かってしまいますよね)海は波があるものだと思っていたので、広い砂場のような潮干狩り場はとても不思議な感じがしました。

谷津干潟は今では周りが埋め立てられてわずかに四角く残っているだけですが、 渡り鳥の貴重な中継地としてラムサール条約の登録湿地に指定されています。

潮干狩りはいつでも出来るわけではありません。春から夏にかけては1日2回ある干潮の潮の引きが昼間の方が大きくなります。旧暦の3月3日は大潮にあたります。(今年は4月21日)今でもひな祭りに「はまぐり」を食べるという習慣がこのことから残っていると言われています。沖縄の宮古島の「やえびし」はこのときに現れる巨大なさんご礁 での潮干狩りです。

日本海側の海岸では干満の差があまりないために潮干狩りができないそうです。同じ海岸でも潮によって、時間によって、全く違った状態になりますので、必ず新聞の地方版の潮汐(ちょうせき)をご覧になってから海へお出かけください。HP史上最強の潮干狩り超人などに詳しく情報が載っています。

千葉県内では潮干狩りは木更津の盤州干潟、富津岬の潮干狩り場が有名です。漁業権がありますので必ず立て札に注意して禁止されている行為は行わないようにしてください。九十九里浜ではチョウセンハマグリが採れるようですが、腰のあたりまで水に浸からないとダメなようです。子どもは危険です。九十九里にはおもしろい貝がいますが別 の機会にご紹介します。

南房総では砂浜で潮干狩り、というのはあまり聞いたことがありません。アサリのからが落ちているのでいるはずですが、数は少ないようです。こちらでは潮の引いた磯の石の間をかりかりと掘って「ヒメアサリ」を採る人たちをときおり見かけます。アサリより小ぶりで殻のふくらみが弱く、内側がピンク色をしています。


左上から時計回りに ヒメアサリ スガイ イシダタミ  ヒメイナミガイ

「いそだま」と呼ばれるサザエの仲間の小型の貝(スガイ、イシダタミなど)、も人気があります。ほろ苦く磯の香りがします。春は海藻も打ち上がるので浜はにぎやかです。

旧暦3月4日、干潮の時間に千葉ポートパークに行ってみると潮干狩りの人でにぎわっていました。「潮干狩り場」で見かける家族連れのレジャーと言うよりもかなり本格的な人が多く、かつての千葉の海で漁をしていた人?のように見受けられました。牡蠣(かき)をたくさん採っていたおじさんは「このまま生で食べるんだ」と話してくれました。そのそばでは、実際に殻を割って食べていたおじいさんたちがいました。
また、重そうな石を裏返していたおじさんがいたので、近づいてみるとバケツの中には10センチほどのカニが。(どうやって食べるのかなぁ。お味噌汁かな)ゴム長のおばさんとおじさんが自転車に貝を入れた発泡スチロールの箱をくくりつけながらお互いの収穫を話し合う、そんななんとものんびりした昔の漁村のような光景を見ました。

帰り際、水の色が気になって少し高いところから水面を見下ろすと赤潮が発生していました。このところ気温の高い日が続いたのでプランクトンが増えたのでしょう。生き物たちに被害が出なければいいのですが……。

6月6日に「えるふの子ども講座」として、千葉港、ポートパークを皆さんと一緒に歩くことになりました。当日は干潮に合わせて生き物を探しに出かける予定です。潮干狩りをすると「つめ」が傷むので気にされる方はマニキュアをされるといいですよ。日焼け止めと帽子も忘れずにご用意ください。それと海におしゃれは禁物です。

海は本来私たちの生活に近いものでした。しかしどんどん埋め立てられて遠いものになってしまいました。海は生命の源です。皆さんとお会いしてまた新しい発見があるかと思うととても楽しみです。ほら、何に会えるかわくわくしてきたでしょ!
館山だより

先月館山で拾った貝にヤドカリが入っていました。そのままでは死んでしまうので、水槽にペットショップで買った人工の海水を入れて飼ってみました。脱皮したり、貝をチェンジしたり、見ているとなかなかおもしろい生き物です。以前飼ったときは夜中にヤドカリ同士が殻をぶつけてバトルしていましたが、今回の2匹は仲が良かったみたいでケンカはありませんでした。えさは「けずり節としらす」。入れてやるとすぐに寄ってきて食べ始めるのです。

飼い始めて1ヶ月ほどたった週末、館山にヤドカリを帰してやることにしました。本当はかわいくなってしまって、もっと飼っていたかったのですが、ふるさとの海が一番です。水槽を持っていって沖ノ島の磯に放してやりました。ヤドカリたちは仲間のいる「しおだまり」に入れてやるとしばらくは動かずにじっとしていましたが、やがて縞模様の足を出して岩の割れ目に隠れてしまいました。「元気でね!」(きれいな貝に入るとまたつかまっちゃうよ)子どもたちと一緒に見送りました。

どんぐりつうしん変集長
谷口優子
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