
千葉県のぐるりと三方をかこむ海岸線は500キロにもなるそうです。 私たちの住む東京湾沿い、黒潮の影響を受けて造礁サンゴが見られる南房総、サーフィンのメッカ九十九里浜、寒流と暖流のぶつかる潮目・銚子、とさまざまな姿をしています。
かつて千葉の海は遠浅で海水浴場や潮干狩りでにぎわう行楽地でした。プランクトンの多い干潟の広がる千葉は昭和初期まではアサリやハマグリの有名な産地でした。「貝せんべい」や「やき蛤」、千葉駅の駅弁「はまぐり丼」は千葉の名物になっています。そのハマグリも30年ほど前に埋め立てと水の汚染でほぼ絶滅してしまいました。 ハマグリは模様の他に他の貝の殻と決して合わないので、夫婦和合の象徴とされてきました。結婚のお祝いやひなまつりのごちそうに必ずと言っていいほど登場しますね。本当ははまぐり以外でも二枚貝は他の貝とは合わないものですが、大きくてつるっとした貝殻はとてもシンプルで美しいものです。
18世紀末のヨーロッパに持ち込まれたはまぐりはこんな絵のついた貝だったようです。西洋人の研究者には源氏物語のお姫様が遊女に見えてしまった、という鎖国時代の悲劇がそこには隠されているのです。 東京湾に面した加曽利貝塚などから出土するハマグリは「メレトリクス ルソリア」の一種類です。貝塚から出土するのは私たちが食べている大きさのものよりも小さめのものが多いようです。でも、現在デパートなどの鮮魚コーナーで売られているハマグリは3種類あります。
どれも上品な味のだしが出ます。 写真を見てみなさん区別がつきますか? ハマグリは粘液を出して移動するといいます。古来中国では巨大なハマグリを「蜃」と呼びました。蜃が吐き出す「気」は楼閣を描くと言われ、それを「蜃気楼」と呼んでいます。 昨年富津に潮干狩りに行ったらシナハマグリがたくさん取れました。そのうちに巨大化したシナハマグリが東京湾に蜃気楼を見せてくれるかもしれませんよ。 |
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