★海からのおたより・2 〜2003年4月〜

桜が咲く頃になると海辺にも春が来ています。

大潮のときは普段は水に隠れて見えない岩が見えたり、砂浜が広く感じたりします。暖かい春の日、海辺を歩いてごらん。きっとすてきな自分だけの「たからもの」が見つかるよ。

卵から孵ったアメフラシの赤ちゃん。触ると紫色の汁を出しました。

海藻がいっぱい!
冬の間に育った海藻やいそだま(磯に住む巻貝)を採る人で早春の海辺はにぎわいます。磯ではワカメ・ヒジキ・テングサなどの食卓でおなじみの海藻が旬を迎えています。今回のお話は海藻です。

ヒジキ
波の激しくあたる岩場にはヒジキがはえています。煮物のときの黒い色とは違って茶緑色をしています。かじってみるととげのないアロエかサボテンをさらに歯ごたえを良くしたような食感で渋みがありました。(とても食べられたシロモノではないです)
これがヒジキ。大潮のときは漁協の人たち総出でヒジキ採りをします。

ワカメ
富浦から館山にかけての内湾ではワカメの養殖がおこなわれています。浜に流れ着いたものを地元の人たちは拾うのです。

生のワカメは茶色でゴワゴワ。いつも食べている“ふえるわかめちゃん”のようなみどりいろでつるつるのイメージとは大分違います。これまた生では食べられません。生のワカメを刻んでお椀に入れた後、熱いみそ汁を注いで召し上がれ。さーっと茶色のワカメがみどりに変わって、しゃきしゃきの歯ごたえと磯の香りはこの季節ならではのものです。

漁師さんたちは天然物の切れ込みのないオオッパワカメ(どんさわかめ)和名・アオワカメをやわらかいので珍重するそうです。コンブのようですが葉がうすく、保存がきかないので商品にはならないとのことですが。ワカメは「若布・若芽」と書かれるように早春が旬です。五月の連休の頃に拾ってきて食べたところかたくてダメでした。

ヒジキもワカメも夏になる前にとけて消えてしまいます。ヒジキは岩に根が残り、ワカメも胞子を飛ばして増えていくそうです。海にいつもはえているわけではないのです。

ヒジキやワカメを昔から食べてきた私ですが、生では大しておいしくないものだと知ったのは海辺に暮らしてからです。
食材としての海藻は海辺の強烈な太陽を利用したすばらしい食文化のたまものです。ヒジキも一度蒸してから天日で乾燥させたものですし、ワカメもゆでてから干すそうです。かつて私は寒天の材料のテングサを生のまま煮たら全くとけなかったという大失敗をしました。何日もかけて天日干しさせてからでないと同じ海藻を使っても出来ないのです。


館山市・沖の島。春の穏やかな海です。

ヒジキやワカメは漁業権がないと採れない場所があります。海岸の看板を確認してください。

海藻DEアート
海藻はふつうの植物とは違って根から栄養を摂ることが出来ません。海藻の根は流されないようにしっかりと岩につくためにあります。色々な種類の葉はとても芸術的です。初めてでもなかなかでしょ?
海藻DE肥料
地元の人たちはアラメやカジメを海岸で干します。乾燥したものを畑の肥料にするそうです。館山から白浜はそらまめが特産です。家の近くのそらまめ畑でカリカリになった海藻を見つけました。ある雨が降った翌日見てみるとびろろ〜んとふやけた海藻が……。またカリカリになったかと思うと雨が……。これがいいらしいのです!?

どんぐりつうしん変集長
谷口優子
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