★11月中旬になるとすっかり店内はクリスマス関係の本があふれますが、今年の夏の猛暑と台風、水害、地震と続いたためでしょうか、何となく絵本の世界は元気がありません。クリスマス前に出されたおすすめ絵本を印象深かったものからご紹介します。

わたしの足は車いす
フランツ=ヨーゼフ・ファイニク作
フェレーナ・バルハウス絵
ささきたづこ訳
あかね書房 :定価1,470円
(税70円)

足のマヒで車イスを使っているアンナの話です。アンナはなんでも自分でします。当然特別扱いされるのが嫌いです。ある日お母さんのおつかいで街に出かけ、太っていることでいじめられている少年ジギーに出会います。ジギーはぼくたちは他の子と違っている、だけど違っていて良いと言います。そして勇気を出して自分の方から車いすで歩くので手助けが欲しいと言うことをすすめます。アンナたちは決して可哀相な人ではないこと、お互いに助け合うことが大切なことを描いています。絵の構図がおもしろくユーモアたっぷりで、読んだ後は心豊かに感じることができました。作者自身も車いすの生活をしているオーストリア国会議員です。画家はミュンヘン在住。

くうきのかお
アーサー・ビナード構成・文
福音館書店:定価1,575円
(税75円)

《びじゅつのゆうえんち》シリーズの新刊です。ビナードの文にはいつも驚かされます。アメリカ人なのに日本人以上に日本語で自由に表現しているからです。朝日新聞の連載もいつも気になって読みます。この文のテーマは“空気”15枚の古今東西の絵画の中からあなたの感ずる“空気”はたくさんありますか!?このシリーズは美術の絵本というより詩の絵本のような趣があります。

ジャンヌ・ダルク伝
ジョゼフィーン・プール文
アンジェラ・バレット絵
片岡しのぶ訳
あすなろ書房:定価1,575円
(税75円)

ジャンヌがオルレアンを救うべく天の声を聞いたのが13才、それからの戦いそして、異端者として火刑に処されるまでの生涯が描かれています。
透明感のある細密画の美しい絵本です。

なーんだなんだ
カズコ・G・
トーンさく
童心社
:定価840円
(税40円)

赤ちゃんのためのとてもシンプルな絵本です。
赤ちゃんはゆっくりゆっくりものを感じ、色を認識していくと言います。簡単な言葉の繰り返しもリズム感があり楽しめます。
けろけろころろ
富山妙子 絵
高橋悠治 文・音楽
福音館書店:定価1,785円
(税85円)
《コラージュ、マーブル、油絵》方法はいろいろ、たくさんのカエルが画面いっぱいに歌い踊ります。
そして歌はついているCDでピアノソロを聴くことができます。何も考えず、しばらくゆっくり絵本を見て音を聴きました。

トコとグーグーとキキ
村山亜土さく
柚木沙弥郎え
福音館書店
:定価1,260円
(税60円)

型染めの方法で作品を発表している画家のこの絵本は明るく色彩がきれいです。文は村山亜土の遺稿により、夫人が整理して絵本化されたものです。ハンディキャップのある人たちにも開放されている村山さんのギャラリーTOMに出かけてみませんか。

アメリカのマドレーヌ
ルドウィッヒ・ベーメルマンス作
ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ作
江国香織 訳
BL出版
:定価2,310円
(税110円)

ベーメルマンスの没後見つかった下絵をもとに孫ジョンが手を入れてできた絵本で、クリスマスの絵本も含めて3編入っています。話も絵もアメリカ的。紙のせいかもしれませんが最初の『げんきなマドレーヌ』や子どもたちが大好きな『マドレーヌといぬ 』に比べると少し平坦なのは否めません。ミス・クラベルも変わらず元気です。カバーを取ると真っ赤な表紙に金文字というおしゃれな本です。
しゃっくりがいこつ
マージェリー・カイラー作
S.D.シンドラー絵
黒宮純子 訳
セーラー出版
:定価1,575円
(税75円)
しゃっくりが止まらなくなったがいこつくん。さぁ、どうしたでしょう。鼻をつまんで水を飲んでいるがいこつの絵で、びっくりしたり笑い出したり。楽しい絵本です。
わにわにのおふろ
小風さち ぶん
山口マオ え
福音館書店
:定価780円
(税37円)
わにさん おふろ あぁいいきもち
なぜかこの絵本はお父さんが大好きです。
ハムスターのハモ
たかおゆうこ
福音館書店
:定価1,155円
(税55円)
ハムスターのハモはある夜ゲージを出てみます。いろいろなところを探検して壊れたロボットを見つけます。それから毎夜ハモはロボットを直しに行きます。
1ページに絵がいくつも入ったりする場面があり、絵本より絵物語にした方が子どもには読む楽しみがあって良かったかもね?
★いよいよ刊行が始まります。
オレンジ党と黒い釜
オレンジ党3部作第1巻
天沢退二郎
ブッキング
:定価2,835円
(税135円)
ルミはお父さんと2人暮らしです。ある日両親が昔住んでいたという家に引っ越してきました。森へピクニックに出かけると、突然お父さんは姿を消してしまいます。不気味な黒いものが現れ、ルミは「とき老人」と李エルザらの「オレンジ党」メンバーらに助けられます。《時の魔法》《黒い魔法》《古い魔法》とは?10才ぐらいから。
ちょうど店を開店した頃の26年ほど前に筑摩書房から出版されました。この本を最初に読んだとき、日本にもファンタジーと言える作品が!と驚いたものでした。作者を詩人として、また宮沢賢治の研究者としてしか知らなかったのでそれも驚きでした。以後毎月1冊刊行されます。期日は未定ですが、講演会も予定しておりますのでお問い合わせください。
★動物が主人公の物語がたくさん出版されています。特にネズミとかハムスターとか、どうしてでしょう。小さなこの生き物は大きな力あるものに立ち向かって行くにはうってつけだからかもしれません。

ねずみの騎士デスペローの物語
ケイト・ディカミロ作
ティモシー・バジル・エリング絵
子安亜弥 訳
ポプラ社:定価1,470円
(税70円)

ハツカネズミがお姫様に恋こがれ、小さな体の大きな勇気がお姫様を助けようとするお話です。けなげで小さなハツカネズミに心励まされ、元気な気持ちになります。
2004年ニューベリー賞受賞作品です。本の装丁も美しく、読みやすく、訳文は若い人たち向きになっています。10才ぐらいから。
フレディ 5
ハムスターのタイムトラベル大冒険

ディートロフ・ライヒェ作
佐々木田鶴子 訳
しまだしほ 絵
旺文社:定価1,300円
(税62円)
世界で一番かしこいハムスターフレディのお話も5巻目になりました。
今回は「息子の命を救って欲しい」とのゴルドーニ博士の頼みで仲間たちと冒険に旅立ちます。タイムマシーンに乗って時空を超え着いたところは、なんとアラブのシリア。ゴールデンハムスターの女の子ズーレイカとは仲良しになれるでしょうか?10才ぐらいから。

サンドヒル・スタッグ
どこまでもつづく雄ジカの足あと
シートン動物記 4

レイザーバック・フォーミィ
誇り高きイノシシの勇者
シートン動物記 5


アーネスト・T・シートン作/絵
今泉吉晴 訳

福音館書店:定価各945円
(税各45円)

前に出版された1・2・3巻と同じようにシートン自作の絵が入った美しい本になりました。
野生シカと出会い追うヤンの物語と、イノシシのフォーミィーの成長の物語です。自然の中で生きる動物、人も自立した動物と良い関係を作ってこそ、身勝手な自分から抜け出せる(P156あとがきから)というシートンの考え方が貫かれています。
犬ぞりの少年
J・R・ガーディナー 作
久米穣 訳
かみやしん/絵
文研出版:定価1,260円
(税60円)
舞台はワイオミング州、ウィリーはおじいさんと小さなジャガイモ畑でやっと生活しています。サーチライトはウィリーと同じ日に生まれた犬でなくてはならない仲間です。病気になったおじいさんとウィリーを助けるにはお金が必要で、レースの賞金を取るために、ウィリーは犬ぞりレースに出ようとします。決して負けたことのないストーンフォックスに勝つことができるでしょうか?ロッキー山脈に伝わる伝説がお話の元になっています。10才ぐらいから。
鬼が瀬物語
魔の海に炎たつ

岡崎ひでたか 作
小林豊 画
くもん出版:定価1,365円
(税65円)
千葉県房総半島の沖合に鬼が瀬といわれる黒潮の流れがあります。そこは魔の海域で船大工の次男満吉は漂流し続けた破船と出会い、船大工になる決心をします。激しい気質の満吉は父親とぶつかり家出をして三浦の三崎という造船所で船大工になるために修行を積みます。明治初期、日本の夜明けの中で生きた若者の物語です。たくさん入っている画が大変素晴らしい。12才ぐらいから。
4つの初めての物語
さとうまきこ 作
杉田比呂美 絵
ポプラ社:定価1,365円
(税65円)
初めてブラジャーを買った綾子、父がバツイチで兄がいたことを知り、その兄に会った真理奈、パクチャリをして友だちの意味を考えた省吾、秘密のマイホームを仲間と作ったけれど大人の前で失敗してしまった亮平、クラスの4人がそれぞれ体験する物語。ちょっぴり大人になってきた6年生の物語です。
夜のパパ
マリア・グリーペ 著
大久保貞子 訳
ブッキング:定価1,890円
(税90円)
ユリアのママは仕事の具合で夜は留守になり、独りぼっちになるために夜、石の本を書いている青年に来てもらいます。ユリアと夜のパパと名付けられた青年との交換日記です。
静かな、それでいてあたたかな物語です。復刊ドットコムの投票で出版されました。
祈祷師の娘
中脇初枝 作
卯月みゆき 画
福音館書店:定価1,470円
(税70円)
春永の父親は早くに死に、母親は再婚しましたが、春永を置いて家を出ます。血の繋がらない父親と、やはり和花と娘を連れて実家に帰ってきた妹と暮らしています。この家は代々女に伝えられるおがみや=祈祷師の家です。自分の居場所を求めて祈祷師のしるしを密かに待ってみますが、やはりしるしは和花の方に現れます。この本の題を見たとき一瞬、オカルト的な物語かと思ったのですが、そうではなくて1人の少女の成長物語です。母親に会いに行く最後の場面がとても印象的です。12才ぐらいから。
賢治草双
宮沢賢治 作
パロル舎:定価2,100円
(税100円)

画本 宮沢賢治のうち『かしはばやしの夜』他6冊分の物語が入りました。前作『賢治草紙』と会わせてどうぞ!とても美しい本です。12才ぐらいから。


★プレゼントにサイン本をどうぞ★
〜元気になった田島征三さん〜
クリスマスにむけて、恒例の画家サイン入りの本は、しばらく病気休養だった田島征三さんの本に決まりました。土臭く、のびやかで、おおらかな絵本を子どもたちに、お友だちに、もちろんあなた自身にいかがですか。クリスマスのプレゼントにもどうぞ!締めきりは12月5日です。
1
とべバッタ
1470円(税70円)
2
ふきまんぶく
1680円(税80円)
3
くさむら
1575円(税75円)
4
こやぎがやってきた
1260円(税60円)
5-A
オオカミのごちそう
1470円(税70円)
5-B
オオカミのともだち
1470円(税70円)
5-C
オオカミのひみつ
1470円(税70円)
サイン入り・予約〆切12/5
 

サインの他に書いてほしい言葉、受け取り方法(宅急便・郵送・冊子小包(包装に穴があきます))プレゼント包装の要・不要などを明記のうえこちらまでhobbit@elf-book.com


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