★元気な子どもたち、あなたならきっとできる。

サムならきっとできるから
エイミー・へストぶん
アニタ・ジェラームえ

小川仁央やく
評論社:本体1300円

プラムむらのふゆのよあけまえ、くまのサムとおかあさんはせっせとケーキをやいています。そしてこのおいしいケーキを小さなくまの子サムは一人で雪の中をみんなにくばって歩きました。
くまの親子の表情が豊かに描かれています。きれいな色の絵本です。

イゴールの金のすず
ミレイユ・ダランセさく
おかだよしえ やく

評論社:本体1300円

ナターシャはお父さんと町へ行きました。広場ではくまのイゴールが芸をしていました。おりの中に閉じこめられたイゴールが気になって、次の日もまた次の日も会いに行きます。りんごやクルミをおみやげに。その次の日、イゴールはおりから逃げ出し、大人は銃で殺そうと言っています。ナターシャはイゴールを助けようと森に出かけて行きました。
絵本の中から小さな金の鈴の音が聞こえてきそうです。
げんきなグレゴリー
ロバート・ブライト作・絵
なかつかさひでこ訳

徳間書店:本体1400円
グレゴリー、村一番やかましくて元気が良く、そしてちょっぴりおっちょこちょいの男の子。ある日おばあちゃんが“してほしいこと”と言いかけたら、もうグレゴリーはかけ出しました。でもね!とびきり元気で愉快なお話と絵の楽しい絵本です。

きつねとうさぎ
〜ロシアの昔話〜
F・ヤールブソワ=絵
Y・ノルシュテイン=構成
こじまひろこ=訳
福音館書店:本体1200円

いごこちの良いうさぎの家をきつねが取り上げ、うさぎは追い出されてしまいます。いろいろな動物がきつねに向かって行きますが、誰もきつねにかないません。
有名な昔話ですが、背景の絵があまり変わらず、その効果で芝居の舞台を見ているようです。まん丸のうさぎの目と赤い画面 が印象的です。このコンビの作品であるアニメーション『きりのなかのはりねずみ』は映像の美しさで知られています。(絵本『きりのなかのはりねずみ』は福音館書店から出版されています。

大きな空の木
エリック・バテュ作
加藤登紀子 訳
フレーベル館:本体1200円
一年の季節の移り変わりと人々の思いを、空に向かってスクッと立っている大きな木を中心に描いている詩画集です。
訳者の初めての翻訳絵本で、最後に作曲した譜がついています。
冒険小説は夏のものとは限らない。寒い冬、ワクワクして読むのも楽しいもの。1月、2月はちょっと長い物語を読んでみましょう。
竜の巣
富安陽子 作
小松良佳 絵
ポプラ社
:本体950円
直人と研人はお休みにおじいちゃんたちの家で過ごすため、迎えに来てくれたおじいちゃんと電車に乗っています。
窓から見える高い山の頂の雲を見て“竜の巣かもしれないぞ”と言い出したおじいちゃんは二人に竜の巣のはなし、昔、その竜の巣に入ってしまって竜に食べられそうになった話をしてくれたのでした。
9才位から。
フェイマス・ファイブ
宝島への大冒険

エニード・ブライトン作
眞方陽子 訳
実業之日本社
:本体1600円
ジュリアン、ディック、アンがキリン荘に住むいとこのジョージーナとジョージーナの愛犬ティモシーと一緒に冒険する話が2つ入っています。いまから60年前にイギリスで出版された物語で、ちょっと古風ですが子どもたちが力を合わせて立ち向かっていく姿はしっかりと楽しむことができると思います。ただ、2冊に分けても良かったのではないでしょうか。
少女探偵
サミー・キーズと骸骨男

ウェンデリン・V・ドラーネン
加藤洋子 訳

集英社
:本体1600円
『サミー・キーズとホテル泥棒』に続いての第2巻です。10月31日、ハロウィーンにサミーは仲良しのマリッサと転校生のドットと一緒に町の誰ともつきあわない“ブッシュ・マン”が住むお屋敷ブッシュ・ハウスに出かけます。ちょっと冒険するつもりがそこで出くわしたのが骸骨男、しかも火事になっているし、おまけにあの失礼なボーシュ巡査がやって来ました。
第1巻と同様、丁寧な描写と物語の構成でできている探偵小説です。10才位 から。

鏡のなかの迷宮 2
光る石

カイ・マイヤー
訳・遠山明子

あすなろ書房
:本体1700円

第1部で魔法の鏡の工房に弟子入りをしたメルレが、生まれたときから持っている不思議な水鏡の謎、盲目のジュニパの出会いと鏡の目の謎を抱えたまま地獄の都へ行くメルレから物語は始まります。水の女王の去ったヴェネチアではとうとうエジプト軍が侵攻してきます。一方ゼラフィンはミイラ戦士に襲われたところをダリオに救われアジトへ誘われます。
少しずつ謎の糸はほぐれてきますが、次作の第3部の完結編が楽しみです。12才位 から。
七人の魔法使い
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作
野口絵美 

徳間書店
:本体1700円

突然ハワードの家にあらわれた“ゴロツキ”はそのまま居座ろうとするので、何とか追い出そうとしますが上手くいきません。“ゴロツキ”は町を裏で操っている魔法使いに言われてきたと言い、その魔法使いの七人の姉弟はハワードの父親が書いた原稿のせいで町から出ることができないとの話。
パロディやことわざを十分に使ってのストーリーの展開はただ面白いだけでなく、すっかり読者をこの奇想天外な物語に引き入れてしまいます。いきなり作者の覚え書きとして「10の命題を証明するものである」から始まりますが、読者も証明してみたら面 白いと思います。
この作品は1992年にBBCでテレビドラマのシリーズになったとのこと。またげんきな少女ミグが活躍する物語『マライアおばさん』田中薫子訳・徳間書店も出版されています。

人はわずかばかりでも夢を持たないで生きていくことは辛い。夢は叶うか、叶わないかではなく、持ち続けていけるかどうかがその人の生涯を決めてしまいます。
モギ
ちいさな焼きもの師

リンダ・スー・パーク
片岡しのぶ 訳

あすなろ書房:本体1300円
親も知らず、本当の名前も知らない少年モギは、まだ幼かった頃橋の下をねぐらにしていたトゥルミじいさんに預けられ、二人で極貧の中を支え合って暮らしています。時代は12世紀後半のこと、朝鮮半島の西海岸にあるチュルポは地の利と地質のおかげで青磁の生産では有名なところで、モギも食べ物をあさりながら、特に老焼きもの師ミンの仕事を覗いて、焼きものの美しさに惹かれていくのでした。モギは自分も焼きもの師になりたいと望むようになります。モギの純粋な心はこの物語を読む人の心をまっとうにしてくれます。
きれいな装幀の本です。15才位から。2002年度ニューベリー賞受賞作。
駆けぬけて、テッサ!
K.M.ペイトン作
山内智恵子訳
徳間書店:本体2000円
幼い頃、まだ両親が一緒にいた農場で目のない馬アカリが生まれ、少女テッサはアカリが大好きでした。けれど両親は離婚、テッサは無理矢理アカリと引き離されていまいます。しばらくしてアカリは子馬ピエロを生みます。一方、義理の父親の残虐さに怒り、反抗して自分の殻に閉じこもってしまったテッサはある日、ピエロと運命的な出会いをします。
一頭の馬に自分の全てを賭け、イギリス最大の障害レース「グランド・ナショナル」で優勝する少女の物語です。15才位 から。
えいえいと歴史を紡いできた人たちがいます。
巨大な一国が世界を自分のものにしようとしているように感ずるいま、かつての人々の営みを知ることが必要に思います。その中から何をどう考えてなければいけないか自分に問いかけてみましょう。
を継ぐ者
すえをつぐもの
たつみや章 作
講談社:本体1600円
縄文から弥生へ変わる時代を舞台に書かれた『月神シリーズ4部作』の外伝にあたります。多くの犠牲のもとに訪れたしばらくの平和。あれから五百数十年後のこと、全ての自然に神が宿ると信じている“月の神の民”オオモノヌシのポイシュマの血を引く“星のしるし”の一族の長の家の6人兄弟の末子サザレヒコは、両親が年をとって生まれ、病弱な子どもだったため甘やかされて育ったので神を神とも思わない傲慢な少年になっていました。禁を犯し村から追放されてしまったサザレヒコはどうやって生きていくのでしょうか。
この本単独でも読むことが出来ます。12才位から。

魔女の血をひく娘・2
セリア・リーズ
亀井よし子 訳

理論社:本体各1600円
魔女として村を追われ、アメリカに渡ったメアリーの辿った運命は一枚のキルトの中に綴られていました。入植したビューラ村にも魔女狩りの手が伸び、森に逃げ込んで先住民のカケスに助けられ呪術医として生きていったメアリーの生涯が現代のボストンの大学生であるアグネス・ハーンの話と重なりながら語られていきます。アグネスは先住民のモホーク族カーニアケハカ部族の地を引いていて、メアリーの調査を続けている博物館の学芸員アリソン・エルマンによってそれらは調査され記録されました。
アメリカの先住民の生活、メアリーの生活の部分は主として昔話と映画では知っていましたが、『ゲド戦記』の作者A・K・ル=グウィンの母、S・クローバーの著書『イシ』を思い起こさせました。見返しの「メアリー・ニューベリーの旅」の地図も大変興味深い。15才位 から。
この道のむこうに
フランシスコ・ヒメネス
千葉茂樹 訳

小峰書店:本体1400円
幼い頃、メキシコからアメリカにやってきた貧しい労働者一家、作者の自伝的物語です。農作物、綿花や果 物の収穫にあわせて移動する季節労働者、彼らは不法入国者でもあるので、常にラ・ミグラの影におびえて病気になっても医者にかかれません。もちろん学校へ行くこともままならない。その中で家族はいたわり合って暮らしています。勉強することでいつかこの貧しさから抜け出したいと思っています。この物語がいわゆる立身出世物語や悲惨な生活物語にならなかったのは、淡々と語られている家族の描写 がすぐれているからだと思います。続編も楽しみです。15才位から。
しょうたとなっとう
星川ひろ子・星川治雄 写 真・文
小泉武夫 原案・監修
ポプラ社
:本体1200円
この写真絵本は納豆の絵本、食べ物の絵本としてそれはそれで良いのですが、たくさんの人に読んで欲しいと思うのは、ちょっと写 真に撮られて緊張気味のおじいちゃんとまごのしょうた君の表情がほほえましいとか、写 真がきれいとか、説明が分かりやすいとか、理由はいろいろあるけれど、何といっても一番なのはおじいちゃんの手の写 真。働く人の手です!!働くこと、物を作ることをきちんと表現しています。

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