★春はおひさまが輝き、土がほっこり暖かくなる。でもおひさまが盗まれてしまったら、さぁ大変!こんなお話は世界各地にあります。

北の魔女ロウヒ
バーバラ・クーニー 絵
トニ・デ・ゲレツ 原文
さくまゆみこ 編訳
あすなろ書房:本体1400円

フィンランドの叙事詩『カレワラ』を元にして作られた絵本です。遠い北の国にロウヒという名の魔女が住んでいて、スキーに乗って外に遊びに出かけます。ワイナモイネンがカンテレをひいています。皆がそのしらべを聞きに集まってきます。月も太陽も……。ロウヒは月と太陽を掴んであかがね山に閉じこめてしまいます。
邪悪というよりいたずらっ子のような魔女、ワイモナイネンの静かな様子、動物たち、猛々しいワシ、暗闇、穏やかな風景、クーニーは大変美しい絵本にしました。そしてロウヒがスキーを履いて空を飛ぶ場面 などユーモアもあり楽しい絵本です。
見返しは原書にはない紙を使っています。ゆっくりと絵を楽しみましょう。



お日さまをみつけたよ
M・ミトゥーリチ 原案/絵
松谷さやか 文
セーラー出版:本体1500円

この絵本では太陽を隠すのはフクロウ、それを取り返すのはクマとウサギになっています。クーニーの絵とまるっきり違う描き方、墨絵を効果 的に使っていて、動物たちの動きが生き生きと描かれています。
この絵本の見返しもお日様の輝きいっぱい、とても美しく描かれています。

たまねぎあたまの
たまねぎこぞう

二宮由紀子 文
スズキコージ 絵

ポプラ社:本体1000円
いつもと変わらずスズキワールド、今回はたまねぎこぞう登場。
たまねぎあたまのたまねぎこぞうが歩いていたら、向こうからやって来たのはたまごあたまのたまごこぞう……おっと違いました。ただのたまごです。また歩いていくと……。
ページをめくっての繰り返し、言葉は同じ繰り返しですが、絵はどんどん進んでいきます。ナンセンス絵本のおもしろさが十分伝わってきます。一人で読むより声を出して読んでもらう方が楽しい絵本です。
とってください
福知伸夫 作
福音館書店
:本体571円
かめがいろいろな動物にお願いをします。“とってください”みんなにとってもらったのでいっぱい。
そしてリンゴを食べているかめの嬉しそうな顔、暖かみのある木版画の絵本です。
★2冊とも登場するのは元気な女の子、元気な男の子はどこに行ってしまったのかな?現代の男の子は元気だけではダメで勇気がなくてはいけないとのことですが、でも何よりも子どもは元気が一番!どちらも7才ぐらいから。
もっと!そばかすイェシ
ミリヤム・プレスラー作
齋藤尚子 訳
山西ゲンイチ 絵
徳間書店:本体1400円

前作『そばかすイェシ』には3つのお話が入っていましたが、続編のこの本には2つのお話が入っています。一つはお兄ちゃんの交通 事故の話、もう一つはきれい好きなドロテーアおばさんがイェシたちの世話をしにやって来る話です。
イェシは思ったことを思った通りに元気に行動する女の子なので、このパワーにまわりの大人はタジタジとしますが、でもこの本の両親にしろ、おばさんにしろ、ちゃんとイェシと向き合う大人です。

雪の森のリサベット
アストリッド・リンドグレーン作
イロン・ヴィークランド絵
石井登志子 訳
徳間書店:本体1700円
以前『マディケンとリサベット』という書名で他の出版社から絵本の型で出ていたものです。文が多いので読みにくかったのですが、この読み物の型になって、それは良いのですが、絵は大型判で見たいと思います。それくらいヴィークランドの雪の森や町の様子が美しいからです。
クリスマスの日、リサベットは町に出かけ、イタズラ心から酔っぱらいのアンデションさんのそりに飛び乗り遠くの森に来てしまいます。置いてきぼりにされ迷子になってしまったリサベットは家に帰れるでしょうか。
★今日はいわゆるファンタジーとして出版された本はちょっとお休み。現実の世界での子どもの心の動きが描かれている本の紹介です。

ともだち
谷川俊太郎 文
和田誠 絵
玉川大学出版部:本体1200円
ともだちってなんだろう。《だれだってひとりぼっちではいきてゆけない》
そして作者は色々なともだちを詩にしています。
ゲキトツ!
川島誠+長新太
BL出版:本体1400円
ぼくたち江南FCは1対0で負けていたが、来期のために何とかしておきたかった。その肝心なときにぼくはキックを失敗した。気の弱いサッカー少年、何とも惨めな名前だ。そのままクリスマスカップのトーナメントの日、あの事が始まった。ぼくには他の人が思っていることが分かってしまう超能力がついてしまった。
すごい良いことがたくさん手に入っただろうって……?うぅん、人の心なんて分からない方がずっと幸せだよ。分からないから分かろうとする、その方がずっと良いと思うよ。12才ぐらいから。
うそつき
マロリー・ブラックマン作
冨永星 訳

ポプラ社:本体1400円
どこにも居場所のない少女ジェンマは転校生の少年マイクと友達になりたいと希望を持ちます。一方マイクは母親が父親を殺したと刑を受けたために祖父母に引き取られ、新しい土地は自分のことを知らないので新しい友達が出来るかもしれないと、これも希望を抱きます。
けれどジェンマはマイクの秘密を偶然に知って、マイクを自分だけの友達にしたいと心ない言葉を言っていまいます。表題の『うそつき』はうそが必ずしも自分の身を守るものではありえないこと、むしろ人と人の心の結びつきはそこから解放されてこそ出来るものだと言おうとしています。
マイクを引き取った(息子を殺された)祖父母の苦しみと哀しみ、そして慈しみの心が描かれている場面 が印象に残ります。
魔女が丘
マーカス・セジウィック
唐沢則幸 訳

理論社:本体1500円
いくつかの作品に登場するヒル・フィギュア、ここではイギリス西部地方の村にある“王冠の丘”が舞台です。ロンドンで家が火事になり助かったものの妹を見捨てて逃げた少年ジェイミーは心の傷を癒すために母親の妹ジェーンおばさんと娘のアリソンが住んでいる“王冠の丘”と呼ばれている村に来ますが、悪夢にうなされます。闇の中から老婆が追いかけてくる、その老婆はヒースに埋もれた遺跡を整えると現れてきたものでした。
昔この村で起こった忌まわしい事件がときどき文中にはさまれて進みます。サスペンスに包まれたスリラー小説です。
ノリー・ライアンの歌
パトリシア・ライリー・ギフ
もりうちすみこ 訳

さ・え・ら書房:本体1500円
19世紀、アイルランドは100万人もの人がジャガイモの飢饉に襲われ亡くなり、またアメリカに移っていきました。ノリーは弟の出産の時に死んでしまった母親を見捨てたとしてその時の助産婦だったアンナを憎んでいました。アイルランドはその当時イギリスからの厳しい搾取を受けていました。父はその借金のために海へ働きに行きます。残された祖父と妹たちや小さな弟、恋人のショーン一家、皆の上に容赦なく飢饉が襲い、とうとう弟のパッチと二人きりになってノリーはアンナの元に身を寄せることになります。アンナは本当に魔女だったのでしょうか?
辛い場面の多い物語ですが、その中で何とか生き延びていこうとする少女ノリー、作者は彼女自身の祖母の物語として書き始めたとのことです。歌や生活の場面 がたくさんあるのが印象的です。13才ぐらいから。
はるかな国からやってきた
谷川俊太郎
童話屋:本体1250円
説明するまでもなく、谷川俊太郎詩集です。サイズは文庫版、ちょっと地味な装幀ですが良く合っています。内容はこれまでの詩集の中から51編が入っています。
ファンはもちろんのこと初めて読む人にも良い入門書です。

ありがとうございました
2月1日、谷川俊太郎+賢作 詩と音楽の会はとても楽しんで終わりました。ありがとうございました。すぐに満員になり、おいでになれなかった方、風邪をひいたり、受験期のために参加できなかった方、この次は是非おいでください。これからの活動などを知りたい方は下記へどうぞ。

谷川俊太郎ファンサイト
[空の嘘]
http://members.jcom.home.ne.jp/0937044701/

谷川賢作オフィシャルサイト
http://www.taniken.net

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