★うさぎとふくろうとねこ、今日の絵本の主人公は動物たち。
どれも絵のタッチが違い、でもどの動物たちも今にも現れてきそうです。

野うさぎのフルー
リダ文
ロジャンコフスキー絵
石井桃子 訳・編
童話館出版:本体1400円

野うさぎのフルーはひとりぼっちのうさぎです。そのフルーに友達ができました。何をするのもキャプシーノと一緒です。けれど秋のある日猟犬に追われて2匹は離ればなれになってしまいました。描かれている野うさぎと森や林に暮らす動物たち。植物が自然に近く博物誌を読んでいるように感じます。見返しからとても美しい本です。1933年、フランスで出版された原型のままとのことで『ピーターラビット』とはまた違った趣があります。以前福音館書店から出版されていた本もこの形で復刊の予定で楽しみです。



〜のうさぎのおはなしえほん〜
いえ


ともだち

片山令子 文
片山健 絵
ビリケン出版:本体各1300円

こちらは同じうさぎと森の動物たちのお話なのですが、文も絵もとても日本的な絵本です。湿度のある土臭い日本の風土を感じさせます。このお話のユーモアは7歳前後が一番ぴったりするかもしれません。
居心地悪い家と思っていたのに、お掃除をしたらすっかり変わってしまうなんてちょっと耳が痛い!明るく楽しい絵本です。


風車小屋ねこカッチェ
グレッチェン・ウェルフル 文
ニコラ・ベイリー 絵
今江祥智&遠藤育枝 訳
BL出版:本体1400円

1921年、南オランダで実際にあったお話を元にしています。救助犬ではなく救助猫カッチェのお話。洪水から赤ちゃんを助けました。
ニコラ・ベイリーの装飾的で細密な絵は隅々まで楽しむことができます。4つ並べられた小さな絵も物語になっています。

★あなたが元気で幸せでいられるのは天使がいつも見ていてくれるから。天使のいない人は探してごらん。もっとも探すのにはちょっとしたコツがいるようだけれどもね。
天使のかいかた
なかがわちひろ 作
理論社:本体1000円
さちはある日のはらで天使を拾いました。どうしたらいいでしょうか。何を食べるのでしょうか。天使の食べ物はさちのお話でした。
いつも だれかが…
ユッタ・バウアー作・絵
上田真而子 訳

徳間書店:本体1700円
ぼくのおじいちゃんはぼくに今までいつも幸せだったことを話してくれる。それは天使がいつも手助けをしてくれたから……。
この絵本は単なる元気づけの本ではありません。喜びの中にもどうにもできない苦しみをさりげなく描いています。例えばふいにいなくなった友達のヨーゼフの胸にはユダヤ人の印として黄色の星が付いています。
★今年も家族は大きなテーマになると思います。それぞれの人がいてそれぞれの家族がある。親子の気持ちは時には行き違いになったり、分かり合えなかったり。そして子どもたちは成長していきます。
そして、カエルはとぶ
広瀬寿子 作
渡辺洋二 絵
国土社:本体1300円
病気の弟がいる修平、両親はいつも弟の良のことばかりで体も心も修平のことを思う余裕がありません。“ぼくは血が冷たいカエルだ”修平はそう思うのでした。
良の成長も父親と息子の関係も丁寧に書かれています。10才ぐらいから。
ラモーナとあたらしい家族
ベバリィ・クリアリー作
松岡享子 訳
アラン・ティーグリーン絵
学習研究社:本体1200円
ラモーナのお父さんは、まだ先生の職が決まりません。親友のハーウィには大金持ちのおじさんが帰ってきてラモーナの居心地は悪くなってしまいました。そしてお母さんには赤ちゃんができたのでラモーナは真中の子どもになります。真中ってどこの場所でしょう?
妹の誕生で新しい家族関係が作られます。子どもがそれを受け入れるのには準備が必要なことを改めて思いました。次作ではどんな家庭になることでしょう。10才ぐらいから。
ホワイト・ピーク・ファーム
バーリー・ドハーティー作
斉藤倫子 訳
あすなろ書房:本体1300円

イングランドの農場が舞台です。ホスピスに入っていく祖母、一人暮らしを選択した叔母、一家と不仲な農場の息子と結婚し父の怒りをかって家を出た姉、父の片腕となって農場を継ぐと誰もが思っていた兄マーティンが美術大学に行くことを決めたこと、10才下の妹には秘密の友達がいた。そして私は大学に行こうとしていたが恋人コルは進学しないで農夫になる、そのことで悩んでいた。そして父と母、タナー家のそれぞれの人生を描いた物語です。
子どもたちの成長、老いること、そして家族のことが生き生きと描かれています。13才くらいから。

★柳の下にドジョウは何匹いるのでしょう。いわゆる“ファンタジー”“ハリー・ポッター”宣伝広告で次から次へと出版される本。そろそろ飽きてきたようで、趣も少し変わってきたように思います。探偵小説、冒険小説に面 白い本が出ました。

〜五人と一匹
ミルトン屋敷の謎

エニード・ブライトン作
三津村卓・内田庶・勝又紀子・松本理子 訳

首飾りのゆくえ
エニード・ブライトン作
三津村卓・福島正美・勝又紀子・松本理子 訳

実業之日本社:本体各1600円

1964年に出版されたものを再編集して出版されました。5人の子どもたちと1匹の犬が力を合わせて事件を解決していきます。
各巻に3話入っています。ケストナーの『エミールと探偵』のイギリスの村版、田園版ともいえます。
3話を1冊にしてしまったので厚い本になってしまい手に取りにくいのではないでしょうか。それに帯に“ハリーポッター”の宣伝文は不必要、全然関係ない本です。10才くらいから。

幽霊船から来た少年
ブライアン・ジェイクス作
酒井洋子 訳

早川書房:本体1800円

フライング・ダッチマン号は乗組員の反乱と狂気の船長によって亡霊を乗せたままさまよう船になった。その船に乗っていた少年ネブと1匹の犬ネッドは嵐の海に放り出され、冒険の旅に出ることになります。
前作『レッドウォール伝説』とは趣が違い、かなりドキドキさせられるが、犬ネッドにユーモアのあるセリフを言わせたりしています。1冊にの中に3つの探偵冒険物語が入っていてたっぷりと楽しめます。13才くらいから。
テムズ川は見ていた
レオン・ガーフィールド作
斉藤健一 訳

徳間書店:本体1700円

時はヴィクトリア時代、ロンドン煙突掃除の少年バーナクルは政府上層部の犯罪を聞いてしまいます。金のロケットをつかんで逃げ出しますが、その金のロケットは事件の重要な鍵でした。そしてはしけで働く人たちをも巻き込んで大事件になってしまいます。
もうだいぶ昔、作者が来日したときに話を聞いたことがあるのですが、まるで『指輪物語』に出てくるガンダルフのような容貌がとても印象的でした。15才くらいから。

ローワンと
ゼバックの黒い影

エミリー・ロッダ作
さくまゆみこ 訳
佐竹美保 絵

あすなろ書房:本体1400円
ローワンのシリーズも4巻目になりました。妹のアナドはグラックにさらわれてしまい、ローワンはゼバッグの地へ戦いに入っていきます。その戦いの中から見えてきたものは300年の間封じられていたリンの村の歴史でした。
この物語は安定して読みやすいシリーズです・
バビロンゲーム
キャサリン・ロバーツ
米山裕子 訳

集英社:本体1800円

紀元前6世紀、バビロニアにティアマットという非常に好奇心の強い少女がいました。少女は空中庭園に香草を取りに行って印章を見つけ、そこに描かれた不思議な動物シルシュがが街を走っていることを知ります。この聖獣を助けようとしますが、外の子どもたちをも巻き込んでバビロンの運命を大きく動かすようになってしまいます。
ところで、この空中庭園が世界の七不思議の一つなのを知っていますか?作者はこの七不思議を中心にこれからも物語を書くとのことです。次はエジプトのピラミッドとか。楽しみができました。


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