★犬、猫、兎、ゴリラ、サバンナの動物たち、そして子どもがちょっぴり。今月はたくさんの動物たちが主人公。みん、みんな冒険好きです。
ベンジャミンのたからもの
ガース・ウィリアムズ
こだまともこ訳
あすなろ書房:本体1400円

ウサギのベンジャミンとその妻エミリーは海の見えるクローバーの丘に住んでいました。ある朝ベンジャミンは魚釣りに出かけます。よく晴れていた日なのに突然海は荒れてベンジャミンのボートはバラバラ。目を覚ましたところは無人島でした。
この絵本は1951年に描かれた『ベンジャミン・ピンクの冒険』を元にして創られたもので文章も短くし、絵はモノクロで描かれていたものを1950年代に手に入れることの出来た絵の具を使ってローズマリー・ウェルズが製作した本ということです。
良く出来上がっている絵本ですが、厚手の原本のモノクロの本でも読み物として良いのではないかと少しばかり思いました。見返しの紙も選ばれたものが使われています。


まいごのフォクシー
イングリ&エドガー・ドーレア文・絵
うらべちえこ訳
岩波書店:本体1900円

きつねそっくりな小さなやせっぽちの犬、フォクシーは飼い主の男の子と遊んでいるうちに迷い犬になってしまいます。ふとっちょのおじさんが家に連れて行ってくれました。ふとっちょおじさんは芸人です。犬とニワトリ、ふとっちょおじさんの仲間に入れてもらいます。そしてもちろん最後はハッピーエンド。
表情が豊かに描かれていて楽しい絵本です。始めと終わりの見返しのフォクシーが違って、これだけでも物語になっています。

FLIXフリックス
トミ・ウンゲラー作
今江祥智 訳
BL出版:本体1300円

表紙、犬、困った顔のパグ、でもその陰はネコです。そう、犬のフリックスはネコから生まれたのです。
ちょっとスパイスの効いた作者らしい絵本は色々な読み方が出来るユーモアいっぱいの絵本です。

ゴリラとあかいぼうし
山極寿一 作
ダヴィット・ビシームワ絵
福音館書店:本体1200円
画面いっぱいの緑、森がいっぱいに広がって、その中にゴリラとゴリラにあかいぼうしを取られ、取り返そうとする男の子3人組、緑がとてもきれいです。
この絵本の画家はコンゴ人でゴリラと人間の共生を目指すNGOで活躍しているとのことです。ゴリラ語が書かれていますが、どう読んだらよいのでしょうか?もちろん普通 に!だって、あなたとゴリラは仲間ですからね。コンゴ、キヴ地方の民謡の楽譜付きです。

あめ!Rain
マニヤ・ストイッチさく
くどうなおこ やく

ポプラ社:本体1400円

サバンナに雨が降る、匂い、雷、いよいよ雨だ、動物たちは大喜び。
とてもダイナミックでエネルギーあふれた絵本です。文もリズミカルで良く合っているのですが、文字は大きすぎて残念ながらちょっとうるさく感じます。皆で声をしっかり出して読んでみたい絵本です。
★お話の本も動物たちが登場。2冊ともシリーズになっていてファンがいます。
どうぶつニュースの時間2
あべ弘士
理論社:本体1200円
7時DTVどうぶつニュースが始まります。キャスターは森野こりす。
1巻よりも長く、びっしり内容があるのは今日は特別番組だからです。私は1巻も2巻も天気予報がお気に入りです。
雨のじょうろと
あなぐまモンタン

茂市久美子 作
中村悦子 絵
学研:本体1200円

あなぐまモンタンは森のクリーニング屋さん。今年は雨ばかり降って大弱りです。ある日モンタンさんのお店に不思議な格好をした女の子が来て、持っている大きな水色のじょうろを洗って欲しいと言います。
穏やかな物語に挿し絵が良くあっています。雨のシーンと虹のシーンがとっても素敵です。本の形は絵物語。10才ぐらいからの子どもと、子どもの心を忘れない大人たちへ。


クマの名前は日曜日
アクセル・ハッケ作
ミヒャエル・ゾーヴァ絵
丘沢静也 訳
岩波書店:本体1500円

ぼくがうんと子どもだった頃、いつも一緒にいたテディベア、名前は日曜日。ある日ぼくは日曜日が何も喋らないのにハラを立てて日曜日に乱暴した。その夜、初めて日曜日のいない夜を過ごすことになったぼくは夢を見た。
少し不思議な物語です。ゾーヴァの絵がとても良くあっています。

裸のダルシン
C・W・ニコル
小学館:本体1600円

著者はイギリス、ウェールズの出身で小さな時、ケルトの神話をたくさん聞いて育ち、そのケルトの神話をベースにこの物語を書いたとのことです。また、著者は黒姫に住んでいて自然保護に力を入れているのでこの物語もそんな趣がたくさん描かれています。
ダルシン王子は叔父の手から逃れ、ドゥルソイに命を救われます。そして厳しい自然の中でたくさんの知恵を得ていきますが、その知恵こそが人々が生きていくための平和の元なのです。イラストも著者です。

樹上のゆりかご
萩原規子
理論社
:本体1500円

私、上田ひろみ、都立辰川高校2年生、この物語はひろみが友人中村夢乃に引っ張られて合唱祭のために生徒会執行部と関わりを持ったところから始まる。執行部のメンバーである鳴海と江藤、夢乃を巡って事件が起きる。
愛は人を高めるが、時には地獄の奈落に突き落とす。文中出てくるオスカー・ワイルドの作品『サロメ』はこの物語のキーポイントの1つになっている。ミステリアスな存在の有理の最後の書き込みがもう少し欲しい。
言の葉の樹
アーシュラ・K・ル・グイン
小尾芙左 訳
ハヤカワ文庫:本体700円
著者の『闇の左手』と同じハイニッシュ・ユニヴァースが舞台になっています。圧制の敷かれているアカに観察員として地球から派遣されたサティが過去の文化を発掘しようと調査を始めます。ル・グインの物語は理性的でそれ故難解という人もいますが、しっかりと構成されている文章は魅力があります。
ところで『指輪物語』をキッカケに『ゲド戦記』を読んだ人も多いようですが、5巻が1月に岩波書店から出ます。楽しみです。
★その他さまざまな本の中からのオススメ、実際に出かけたり演じてみたくなる本です。

子どもとお母さんの
手作りおもちゃ絵本

小林衛巳子・ときわ平幼児教室編
大島妙子 絵
のら書店:各1200円
どれもやさしい、身の回りにたくさんあるものを使っています。
そしてタイトルどおり子どもとお母さん、それだけでなく子どもとお父さん、みんなで遊ぶ絵本です。作り方・遊び方がとってもわかりやすく書かれています。
太鼓
三宅都子 文
中川洋典 絵
解放出版社:本体2200円
太鼓はどうやって、どういう人たちによって作られてきたのか、どんな種類があって、どう演じたら良いのか、太鼓を巡って色々の視点から描かれています。
この本を読みながら、アフリカのある部族は文字を持たないが、太鼓1つで物語るという話を思い出しました。
太鼓の音は赤ちゃんがお腹の中で聞く“ひびき”に似ている、だから心が和むのかもしれないという文に思わず納得してしまいました。『はじめての和太鼓演奏』も発売。
里山を歩こう
今森光彦 著
岩波ジュニア新書:本体980円
里山、日本の原風景。この本は著者の住んでいる近くの大津市仰木の四季を取り上げています。でも、著者が言うようにみんなの周りにもあるとのこと。その里山を散策する時に役立てて欲しいとのことです。
カラ−写真が十分に入っています。その写真がとてもきれいです。

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