■会留府のこと〜2004年3月〜
村上龍作・編『13歳のハローワーク』が売れています。
新刊配本のない会留府に昨年 の12月 注文した覚えのないこの本が、バサッと入ってきました。まさに、大型で厚くて重い、“まったくこのクリスマスの頃に絵本ならいざしらず、たのみもしないのにブツブツ”と言いながらページをめくってみると、これがおもしろい、あわてて発注しました。
発行の出版社が出版社なので、売れ出したらどんなに注文を出しても絶対入ってこない、大型店には山程積んであるのに(ちなみに先日、用事があって神田の三省堂ヘ行ったら100册ではきかないくらいの山がドンと入口にありました。)会留府みたいな小さい店には入ってきません。K社もS社も……待てど暮らせど、出版社で出庫調整をしてしまうやら、取次ぎが他に回してしまうやら、これは小さな店のいつもの悩みのタネです。
おっと!『13歳のハローワーク』のことでした。この本はいわば 一種の職業案内書ですが、従来のこれらの本と違うところは、まず、[13歳にしたいこと……]でも、これは今までも中学生向けの職業案内書はないわけではありませんが、おもしろいのは、まずどんなことが好きかということから始まることです。
中学生位の頃って一体自分は何に向いているのかわかりません。ともすれば一生わからないかもしれない、そして、なんだか何にでもなれそうな気がしたり、何にもなれそうもないと思ったり、しまいには消去法で考えるより仕方がなかったりします。それを作者は何に興味があって、何が好きなのか、そこから問いかけます。たとえば「Hがすき」それは人間に興味があるのだから医者とか、教師とか……と、こんな調子です。
それにビックリしたのは、こうして書かれると職業ってたくさんあることにあらためて気がつきます。千葉などという日本の平均的な地域に住んでいて、平均的な生活を送っていると、まわりは絶対的にサラリーマン家庭が多く、それに職人の世界も店もそこに勤めているという状態が多いので、自分自身の狭い世界を感じました。
一方、この本を読んで不満と不安がますます募りました。それは若い人への安定した雇用環境がないことです。しかも専門職をめざせばめざすほど難しいのです。例えば、千葉市では図書館司書になりたくともなれません。なぜなら千葉市の図書館、学校図書館、いずれも近年一人の採用もありません。あるのはバイト、非常勤、とても一人立ちしていかれる雇用条件ではなく、将来の見通
しもありません。
本屋を例にとっても、現在は高額な保証金と連帯保証人をたてないと取次ぎとの口座がもてません。この若い人たちの状態は社会不安のもとになります。「好きこそものの〜」とはいえ、次は○の仕事をするためにはどれだけのお金と、どんな方法があるのか、そんなハローワークを読みたくなりました。きっと知らない方法がたくさんあるのでしょう。3月は会留府に来てくれる子どもたちのそれぞれの出発の月です。
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