■会留府のこと〜2003年10月〜
今年の夏はすこしお天気に振り回されて少々疲れた夏になってしまいました。
あぁこういう言い方は正しくありません。いつの間にか世界は人類を中心に廻っていて、自然をコントロール出来るものと思っているからこんな言葉がでてくるのですね。もともと体力のないくせに、自然に逆らった生活をしていて文句だけはいう。反省!!できるだけ歩くこと、1日に一度は意識して呼吸を整えること、水分をとること、あわてず?!さわがず?!
ところで夏の間停滞気味だつた絵本の刊行、風が涼しくなると一気に出版されました。けれど出版された絵本に多い共通
のことはおとな向けのものが多いことです。児童文学といっても垣根はかなり取れてしまって、一般
書とあまり区別のつかないものも多く、読む方も中学生、高校生はあまり本を読まずにおとなが読むということにも良く見られる現象です。
だからなのでしようか、いわゆる癒し現象、スローライフやら、絵もあまりクセの強いものやハッキリしたものでなく、明るく、水彩
や色鉛筆などを使っての画風が多い、つまりおとなが一定の距離をおいて眺めるような絵本が多いのです。一方、子どもは絵本の中に入って物語をなぞりながら楽しみます。だから入りやすい絵であり、入りやすいリズムのある本が好きです。
ところで、『三びきのやぎのがらがらどん』(マーシャ・ブラウン作/福音館書店)は子どもに人気のある本ですがなかには嫌いな子どもがいます。強いがらがらどん!と心踊らす子どももいれば、恐くて嫌いという子どももいます。(なぜか男の子に多いのです。)がらがらどんもトロルもこわい、確かに大きいがらがらどんがトロル相手に吠えまくるところなどは強くて誇らしく見えるけれど、恐ろしくも見えます。
このことで子どもの好みや感じを理解しないおとなが多いことが気になります。特に男の子とその親を含めたおとなたち、時々どのリストをみても良い本、子どもが大好きな本と書いてあるけれど自分の子どもは嫌い、“うちの子はおかしいのでしょうか?”などと聞かれたりします。親が子どもに期待する気持ちはわからないでもないですが、その前に子どもの気持ちをまず受け入れてやってほしい、認めてやってほしいとおもいます。おとなだって“そんな弱虫ではだめよ!”なんて言われたら頭にくるはずです。
もうひとつ癒しとかトラウマという言葉が日常的にとてもたくさん使われて、絵本のなかでもずいぶんといわれます。トラウマは虐待とペアでつかわれることも多いのですが、決して消えない心の傷、いやされたい……本はあなたを癒してくれます……そんな言葉を聞くと背中がザワザワとしてきます。本や子どもをそんなふうにつかわないでください。秋、食欲の秋、しっかり食べて、しっかり歩いて、それから本を読みましょう。長崎の少年の事件のニュースを聞いて思ったことです。
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