■会留府のこと〜2003年4月〜
(前号の続き)

楽しい本が読みたい。たくさん溢れ出ている絵本を読みながら、読んだ 後にフゥーと息をつく、逆に息をのむような、そしてまた、もう一度読みなおす様な緊張感のある読み方をすることが少なくなった。

幼い子どもの様に何度かめくり直して、じっと絵を見る、しばらくたってまた見る、そんなことがあまりなくなったのは毎日ゴタゴタ忙しすぎる生活からか。

本をじっくり読むのでなく、ペラペラと頁をめくる読み方をしてしまう。細かい毎日の生活は行動が分散されて何か一つにのめりこむ様な気分にならない。自分のことだけでいっぱいで周りを見る余裕がなくなってくる。時間がない。その大きな原因は私のことに限っていうと不況とそれに伴っての流通 の変化が原因と思える。

どうやってロスを少なくして欲しい本、売りたい本を仕入れてどうやって売ろうか?などといつもいつも考えていないともみくちゃにされてしまう。

ゲド戦記5巻が3月20日に出た。出るのは 嬉しいのだけれど頭が痛いことがある。一般 書には前からあったことなのだが、ハリー ・ポッター以来ひどくなり、なかなか欲しい本が入ってこない。児童書の世界も大出版社、大取次、大書店中心だから会留府のような小さい本屋は弾き飛ばされてしまう。専門店だなんて関係ない。

新聞の広告にはお知らせが出るし、20日に会留府に行けば入っている、なんたってファンタジー好きの専門店だから……とお客は思い込んでいる。前もって岩波書店からは予約を!といってきていたので申し込んではおいたが、発売日に入ってきたためしがないので心配になって確認してみると、19日に入れますといわれ、それでもいままでのようなら一週間位 遅れてくるので、分散して仕入れる ことにした。

結果は岩波書店から日販という基本ルートではとうとう1冊も入ってこ なかった。手違いがあったとのこと……腹をたててもしかたがない(こういうことにいつもいつもカッカとしていると身がもたない、情緒不安定になって喘息がひどくなる)別 のルートを考えていたので最低は入ってきたが、後から注文いただいたお客をすっかり待たせて迷惑をかけてしまった。

しかも日販の決算にひっかかって、東京の店売(ここにはある程度の出版社の本が置いてある、私は一週間に一度は行って本を見てくる)はガラガラで本も人もいない。以前神田に鈴木書店という専門書などを扱い、社員も本のことを良く知っている取次があったのだが、倒産してしまい不便になった。

3月は年度末で細かい仕事が山のようにあり、人の移動もあり、そして本の定価値上げ等気の重いことが多い。そしてイラク戦争、普段あまりTVは見ないのだが、遅い時間ニュースステーションを見ることが多く、12時にメールをチェックするともう疲れて本を読まないで寝てしまう。ほんとにTVって時間を消費する怪物みたい!

そんなわけであまり楽しんで本が読めない月だった。声はやっと少し回復して出るようになり、ご心配おかけしました!新年度が始まる。そして、千葉市の小中学校の図書室はいよいよコンピュータ化が始まります。この話は5月に。