■会留府のこと〜2001年6月〜


新年度がスタートして学校図書館にも新しく予算がつき、蔵書の整備が始まった。会留府が小中学校と関わりが深くなってもう20年近くになる。

始めは店に個人的に本を買いに来た先生が“図書館にも入れてもらえますか?”ということから始まったと思う。千葉市ではたった一つの児童書の専門店でもあるし(今でも一つきり)地域とのつながりも出来てきて、先生達の期待感も大きく、どういうことになるか良くわからなかったがともかく始めてみた。

学校相手は大変、こちらの本への思いがなかなか伝わりにくい。図書の先生だけ、子どもだけ相手にしていてはいけない、学校の機構が中に入って時間もかかるし、不都合なことがたくさんある。

例えば校長が本に理解があるとはかぎらないし、図書主任の先生が本に関心があるとは限らない等。まず、市へ行って業者登録、これはすんなりと問題もなくクリアできた。実際は見本を持って行って先生に選んでもらう。そして、その他の希望図書を聞いて決まれば発注、装備をして納品、請求の書類を学校の事務へ提出して市に回してもらう。市から代金が振り込まれる、基本的にはこの手順は変わりがない。

現在千葉市の場合選書をする段階で大きく変わったことがある。新学期に予算と図書主任の先生が決まると書店組合が市と合同で展示会を持ち、出版社や取次ぎに協力してもらって先生などに展示会場に来てもらうようになった。学校図書室はなぜか学校の端か、2階、3階が多い。そこまで本を担ぎ上げるのは納品の1回だけで良くなった。それに出版社と連絡をとって見本を借りたり、仕入れたり、返品したりという作業がなくなった。

また、納品して請求書は各々学校の事務に回してもらわずに、納品の検印をもらうと組合に書類を出し組合がまとめて市へ提出、まとめて組合に支払われるため入金がスムースになった。前の方法だと必ずしも図書主任の先生から、事務から市へとうまく流れるわけでなく、どこかで詰まってしまって、なかなか入金がなく一体どこでつかえているのかもわからず困ったことがあった。

けれど、どんなことにも良い面と悪い面とがあり問題点も多い。まず、どこの学校はどこの本屋と決まっている、それは学校にも本屋にも自由な選択権はないので、長い地域でのお付き合いや先生とのお付き合いは活かされることはない。

また、本屋にしてみれば決まっているので、どんなに頑張っても決められた学校以外との関係は持つことができない。つまり張り合いがないということにもなる。先生はひどく忙しくて展示会に来ない学校があったり、来てもゆっくり選書している暇がない。なるべく展示会で発注するようにとの指導なのでおおあわて、本屋も一度に納品しなければならないので、おおあわてで作業をすることになる。

装備といって台帳に記入したり、ラベルを張ったり、蔵書印を押したりの作業は全部本屋のサービスでお金はもらえない。そしてなによりも予算が少ない。千葉市ほどの大きな都市で、年間予算が増えて小学校で30万台、中学校で40万台(もっとも千葉県立図書館の児童部門の年間資料費は220万位 )なんとも情けない金額だ。

小中学校には指導員という司書の役割?を果たす人がいるが、この制度もいつまであるのかわからない。指導員は1年雇用の非常勤、給料も条件も悪く、自立して生活できない条件なので不安定だ。それでも指導員の力で図書室は明るく本を手に取りやすく工夫されているようになった。

今の状態では「子ども達に本を!」という願いは難しい。大人の都合ばかりで子どもの生活を決めてしまうのではなく、もっと市民皆に関心を持ってもらって、少しずつでも不備な点を直していく方法はないかと時々考えてしまう。