■会留府のこと〜2001年3月〜


店をお手伝いしてくださった人はその後もいつも一人か二人、若い人のこともあれば私達と同世代の人のこともあります。

私くらいの年令になると、店に来る若い母親達は相談にのってもらいやすいのか気軽に聞かれることも多く、こちらの話すことも割合素直に聞いてもらいやすい様に思います。

特に一人で来た時は、本のことだけでなく子育てのことにも話がおよびます。親の目になって話を聞いてあげられるから良いのだと思われます。

いま、若い母親達はまわりとの関係から悩みをそのまま聞いてもらえる人がなかなか見つけられないのが実情のようです。

私達は本屋のおじさんおばさんであり、おにいさんおねえさんであり、利害関係がない、比較されない(こちらではそんなつもりはないのですが、気にしてこだわる人が以外と多い)、客観的に話ができる、つまり悩みを解決するというより悩みを聞いてもらいたいと思っている人が多いのです。

それに、子育てのことに関して神経質におくびょうになっている親が多いように感じられます。子どもが本を読まないのは親の責任、学校にもあがったし、“さあーどうしよう”という感じです。

“小さい時に読み聞かせをしてやらなかったから子どもに申し訳ない”などと言い出す母親もいる時代です。「子どもの本」以前の問題です。

経験のない私はちょっとくたびれます。だからどちらかというと、本の話をするだけが好き、マジに作品をくさし、ほめ、つぎなる本を探し求め、だいぶ老化してきた脳に刺激が与えられ元気が出るからです。

私の店にお手伝いにきてくださる人はやっぱり大変です。いつも彼女(彼)達はおだやかに悠々と若い母親達の相手をしてくれます。本が好きで、読んで話もできないといけないし、時には子育ての相談まで受けなければならないのに、賃金は安く昼休みもなく(つまりお昼に食事ができない)、それなのに夜の勉強会は半強制的に参加させられるし……。

みんなの支えがなかったら23年も続けてこれなかったと、時々今までのことを思いだします。